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カリフォルニアのソノマでワイン醸造に携わって早くも15年。「日本人醸造家の悪戦苦闘!」を綴ったワイン日記


by kissouch
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American Dream



ワイナリーのセラーワーカーおよびヴィンヤードワーカーは90%がメキシコ人だ。
その多くはメキシコからの”合法”あるいは”不法”移民で、アメリカでのよりよい生活を夢見てやってきた。彼らのささやかなアメリカンドリームは、
家を買ってメキシコの家族を呼び寄せて一緒に暮らすこと。
あるいは、メキシコで家が買えるだけのお金をアメリカで貯めることである。
メキシコからではないが、私も”移民”の一人で彼らと同じ立場なので、(親しみを感じるのだろうか?)よく本音を話してくることがある。

アメリカではまだサブプライムローン問題が続いているが、この住宅バブルがピークの2005年頃、一人のメキシコ人 ロベルト が家を買った。
私に「どうしよう?」と相談に来たが、私は日本のバブルのことを話し「買うのは待て。絶対数年後にバブルがはじけ、住宅価格は安くなるから。」と諭した。
その頃、家の価格が年間20%~30%の勢いで上昇していた。
また、彼の友達も家を購入し、焦ったのであろう、ロベルトは家を買ってしまった。
モゲージカンパニー(銀行からのローン斡旋業者)の口車に乗ったのも悪かった。
最初の1年は”パラダイス”であったが今”地獄”である。

ところでこのサブプライムローン、元金を払わず金利だけを払っていればよい、不思議なローンだ。(ゆえにいつまでたっても自分の家にならないのだが。日本にもあるのだろうか?)
変動金利で1年か2年で切り替える。
収入は自己申告なので、多く申告すれば多額のローンが組める。(銀行は調べないので、ほとんどの借入者は虚偽申告しているらしい。)
ロベルトは約$500,000(5千5百万円)の家を買った。
最初の1年は月々$2800ほど払っていたらしいが、去年の中ごろには$3500に跳ね上がった。(多分彼の家族収入以上だ。)
その上固定資産税を払わなければならない。
利率の安い銀行にローンを組み替えようとすると、元の銀行はペナルティー料を払えと言う。
今年、家の価値は$400,000に下がった。
仮にうまく家が$400,000で売れたとしても、住むところも無く$100,000の借金ガ残るだけだ。
儚いアメリカンドリームとなってしまった。
ロベルトのような例はいくつも報じられている。

その一方、本当のアメリカンドリームをつかんだメキシコ移民もいる。
40年ほど前にカリフォルニアにやってきて、現在カーネロスのソノマサイドにヴィンヤードとワインナリーを所有するレイナルド・ロブレド・ファミリーだ。
今日、メキシコ大統領:フェリペ・カルデロンが移民問題を会談するためシュワルツネッガー知事に会う。
そのあと、大統領がロブレドのワイナリーを訪れる。
ロブレドが会いに行くのではなく、 「現役大統領がロブレドに会いに来る」 のだからたいしたものだ。
大統領がロブレドから移民問題について意見を聞くらしい。

数年前だが、小泉さんが中南米を訪問したときのこと。
小泉さんも日本人移民の方々に会いに行ったことがある。
ボリビアだったかペルーだったか忘れたが、
小さな日本人の移民村に小泉さんがヘリコプターで不時着した。
苦労した日本人移民の方々の労をねぎらうための予定外の行動だった、
と言う記事を読んだことがある。
小泉さんらしいパフォーマンスだ。

堅実な福田さんはどうだろう。
かなりのワイン好きと聞く。

福田総理、マボロシヴィンヤードに不時着!

面白いヘッドラインと思うが。



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by kissouch | 2008-02-13 04:15 | 余談