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カリフォルニアのソノマでワイン醸造に携わって早くも15年。「日本人醸造家の悪戦苦闘!」を綴ったワイン日記


by kissouch
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日本の味

某ワイナリーでワインメーカーを勤めるジョーと言う友達がいる。彼はワインメーカーとしては珍しいウイスコンシン州出身である。彼曰く、ウイスコンシン州はチーズで有名だ。(と、少なくともウィスコンシンの人は思っている。) そして、チーズだけでなく、ウイスコンシン州は農業全般に力を入れているので、全ての農産物でウイスコンシンは他州より一歩抜きん出ている。(と、ジョーは思っていた。カリフォルニアに来るまでは。) そのため、大学に行くにあたって彼は迷わずミネソタ州立大学の農学部に入って農業の勉強をした。
そして、12年ほど前、彼はカリフォルニアにやってきた。最初は、1年ほどカリフォルニアの農業事情をリサーチしてウイスコンシンに帰る予定でいた。しかし、思わぬ出会いが彼をカリフォルニアに引き止めた。それは「カリフォルニアワインの素晴らしさに感動したからだ。」と書きたいところだが、
ちょっと違って、「カリフォルニアの野菜の美味さ」に感動してカリフォルニアにとどまる決心をした。
「冬でもこんなに美味い野菜が食べられる。」
と大喜びだったのを覚えてる。
それでは、冬は野菜抜きか? と尋ねると、スーパーにある野菜はみなしなびているので、冬場のメインの野菜は缶詰か冷凍野菜になると言う。
そして、野菜だけでなく、カリフォルニアの全ての食べ物が”美味い”と感心して、
「カリフォルニア人は幸せだ。」と言っていたのを思い出す。

さて、どうしてジョーのことを書いたかと言うと、
毎年日本に帰国すると、私は”ジョー”になってしまうからだ。
つまり、日本の食べ物の美味さを再発見する。
和食は当然ながら、フレンチ、イタリアンでも日本の方が一歩秀でてると思う。

このことを知り合いのアメリカ人に言うと不快な顔をして、どうしてそう思う、と聞き返した。
「something different ! something better!」と答えた。
この something が何か具体的には言えないが、
料理の素材かもしれないし、、、、
シェフの技量かもしれないし、、、、
食に対する日本人の感性とアメリカ人の感性の違いかもしれないし、、、、
ただ単に私がセンチメンタルなだけかもしれないし、、、、

とりあえず彼には課題を与えた。私が指定する3つの日本料理店に行くようにと。
ひとつは、中国人オーナー。
そして、次に韓国人オーナー。
最後にオーナー、シェフとも日本人。
その三軒の日本料理店を比較すれば、私が意とする something が少しはわかるだろう、と言っておいた。

さて、今回伺った、
XEX WEST,マコ・レストラン、鉄板焼き「けやき坂」、のみ山、ル・シュバル、りんごの絆
いずれも素晴らしい料理だった。
by kissouch | 2007-06-04 11:13 | 帰国