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カリフォルニアのソノマでワイン醸造に携わって早くも15年。「日本人醸造家の悪戦苦闘!」を綴ったワイン日記


by kissouch
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Topping

ピッツァのトッピングではない。
「ワインにチーズとかのかわりに何かかけるんですか?」と真顔で聞かれ、思わず笑ってしまったことがある。トッピングとはワイナリー用語で樽へのワインの補填のことである。

トッピングの回数はワインメーカーの判断でまちまちだ。シャルドネを毎週トッピングしているところもあれば、赤ワインを3ヶ月に1度だけしているワイナリーもある。私は月に一度が適当だと思っている。私のピノ・ノアールは去年のクリスマス前にトッピングを行ったので、今週がトッピングウイークである。

ワイン用の樽は木でできているので、ステンレスタンクのように完全密閉できない。だからワインが少しずつ蒸発する。そして樽上部に空間ができ、そこに空気が入り込む。この時点での空気はワインにとって良くない。ワインを酸化させるのと同時に、バクテリアなどの微生物の繁殖を助長するからだ。ゆえにワインを補填して空間をなくす必要がある。
私が使う樽はすべてフレンチオークであるが、樽メーカーや、樽の形状によってもワインの蒸発量が違う。この時期で一樽当たり平均400ccが一月で蒸発する。夏近くなると600ccぐらいに増える。
この計算からすると、一樽あたり年間8本のワインが蒸発していることになる。
よく考えてみると、大きな損失である。



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by kissouch | 2006-01-26 04:12 | ワイン醸造/vinification