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カリフォルニアのソノマでワイン醸造に携わって早くも15年。「日本人醸造家の悪戦苦闘!」を綴ったワイン日記


by kissouch
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50ml Sample Bottle    

カリフォルニアの産業の中で、ワインは重要な位置を占めている。
それにあやかろうと、いろんなアイデアを持った人がこの産業に進出してくる。
たいていは失敗して、撤退するが。

10年以上前の話だが、私の友人(自称芸術家)が廃鉄材を切ったり溶接したりして、大人の背丈くらいの ”鉄でできた木”をつくった。
葉になるところには、ワインを寝かせるように工夫し、ワインラックとして売り出した。
そして、意気揚々とあちらこちらのテイスティングルームに声をかけて回った。
しかし、ワインは10本ほどしか置けず、嵩張るだけだったので、やっと3つ売れただけだった。
それも値切りに、値切られて。

(その後、カウンターに載せられる小型の、同じようなワインラックを見たが、誰か真似をしたのだろうか?)
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失敗例は沢山あるが、成功例もある。
最も成功した例はモーブル・ボトリング・ラインだろう。
ワイナリーからワイナリーへと渡り歩く、車のボトリングラインだ。
見たことがある人も多いだろう。
極端に言うと、小さなワイナリーだと、ボトリングラインが必要になるのは年に1日だけだ。
この車移動できるボトリングラインは、そういった小さなワイナリーに重宝がられている。
たとえ自分のワイナリーにボトリングラインがあっても、モーブルラインを雇うところも多い。
というのは、年に一度しかボトリングラインを動かさないので、必ずトラブルに見舞われるからだ。

さてこの50mlサンプルボトル、去年から売り出された。
どこかのテイスティングルームで見た方もあるだろう。
50ml Sample Bottle          _f0007498_1142065.jpg
50ml Sample Bottle          _f0007498_114235100.jpg

このサンプルボトルはワイナリーが瓶詰めするのではなく、
第3者が750mlボトルから50mlボトルに手仕事で移し変える。

”可愛い”ので土産に良く売れるらしい。

ところで、50mlサンプルボトル会社は、1年間の品質保証(半年の保証のワインもある)を謳っているが、果たしてどうだろう。

瓶詰めから5ヶ月過ぎたカベルネをテイスティングした。
酸化、の一歩手前だ。
オリジナルのワインの味とは、かなりかけ離れている。

ワイナリーテイスティングに行ったときしこのサンプルボトルを見かけて買うのなら:;;;;
日付が記載されているので、白なら1月以内、赤なら2月以内のワインを買うように。



以前、ワインファンの方から質問があった。

「同じワインでも、レギュラーボトルとマグナムボトル、それより大きいジェロボーム、それぞれ味が違うがどうしてか?」

その答えがこのサンプルボトルに潜んでる。
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by kissouch | 2010-08-05 02:32 | tasting