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カリフォルニアのソノマでワイン醸造に携わって早くも15年。「日本人醸造家の悪戦苦闘!」を綴ったワイン日記


by kissouch
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2億6千万円、未成年へのアルコールサービスの代償・・・・

飲酒運転の場合、日本と違ってアメリカでは飲酒した本人の責任であるので酒を提供した側が罰せられることはない。だからワイナリーのテイスティングルームが成り立つ。
もし日本のようにアルコール飲料を提供した側も罰せられれば、
今日のソノマ・ナパの発展はなかっただろう。

以前にパラダイスリッジ・ワイナリーが訴えられた記事を書いた。
ソノマ・ナパのワイナリーは興味津々、「次は我が身」と行方を見守っていた。






話は少しそれるが、パラダイスリッジは私の大先輩(足元にも及ばないが)に当たる長沢鼎翁が起こしたワイナリーが前身だ。彼は日本ではほとんど知られていないが、ソノマのワイン産業に大きく貢献した人だ。
数年前、私がマスコミ関係の人にこの話をすると、
「面白い。ぜひテレビ番組を作りたい。」
といっていたが、その後音沙汰無し。

さて、パラダイスリッジが訴えられた概要を。

何処のワイナリーに行くにも車無しではいけない。
運転手を雇わない限り、みんな飲酒運転になる。
それゆえ、パラダイスリッジは「ワイナリーの飲酒運転ほう助」として立件されるのかと思われたがそれはなく、
「未成年にアルコール飲料をのませた。」ことで訴えられた。

州によって異なるが、カリフォルニアでは飲酒は21歳からである。
19歳のジョシュアとショーンはパラダイスリッジで行われた友人の結婚式に参加した。
ウエイターはID(身分証明)を求めたが、
「車に忘れた」と彼らは嘘をつき、アルコール飲料を飲んだ。
そして、その帰り、7-イレヴンでもアルコール飲料を買い、運転していたショーンは猛スピードで木に衝突した。
ショーンの怪我はたいしたことがなかったが、ジョシュアは植物人間になってしまった。
そして、ジョシュアの親が訴訟を起こした。

2年近く争われた後、昨日、和解されたらしい。
パラダイスリッジは3ミリオン・ドル(約2億6千万円)支払うことで。
おまけに、7-イレヴンは約5千万円、ショーンの両親は1千万円支払う。

もっとも驚いたことは、弁護士の報酬が約1億円。さすが訴訟の国!

パラダイスリッジは近々売りに出るのでは???
と思ったのは私の間違いで、保険会社が支払わされるらしい。
その保険会社は三井住友。
今後、ソノマ・ナパの多くのワイナリーが三井住友の顧客になるだろう。
「きまえのいい保険会社だ。」と。

PS・・・テイスティングやレストランに行くとき、日本人は若く見えるので必ずID(運転免許書やパスポート)を持参するように!特に女性は若く見られる。
また、ワイナリーテイスティングに関して飲酒運転の取締りをしているというのは聞いたことはないが、普通の飲酒運転の取り締まりは結構厳しい。
続くにほんブログ村 酒ブログ ワインへ
by kissouch | 2009-12-12 01:39 | 余談