カリフォルニアのソノマでワイン醸造に携わって早くも15年。「日本人醸造家の悪戦苦闘!」を綴ったワイン日記


by kissouch
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(3)で述べたように、隣のヴィンヤードの葡萄を、某カルトワインCが買うことになっていたが、レーズンになったためにその葡萄は購入されなかった。



そのカルトワインCは。。。。

2年ほど前にそのラベル(ブランド)は売りに出され、
そしてオーナーが変わり、
その新しいオーナーは生産量を増やし、ごそっと儲けている。

(一般消費者はオーナーが変わったことも、生産量を増やしていることも知らないだろう)

(カリフォルニアではワイナリーやラベル(ブランド)の売買が多い。
特にナパでは多く、少し有名になるとブランドを売って、お金に換える。
そのブランドを買ったオーナーは、量産して利益を得る。)


そのカルトワインCから、
「幻ヴィンヤードの葡萄を購入したい。」という話が、
マネージメント会社を通して連絡があった。
売る葡萄はなかったが、
どのような内容か興味があったので話を聞いてみた。

(ボトル1本を100ドル以上で販売しているワイナリーなので、どれくらいのOfferがあるか興味津々だ。)

ところが聞いてびっくり、
「馬鹿にするなよ!」という金額だった。

今年は平年に比べピノノアールの収穫量はかなり落ちたので、
ほかのピノノアールで有名なワイナリーからも問い合わせがきた。
が、断るしかなかった。


今年のヴィンテージに関して、あまり良い話を聞かないが、
ひとつ例外がある。
セミヨンでレイトハーベストの甘いワインを作っているワイナリーには、
今年の気候は良かった。

例年、Botrytis菌がうまく着かず苦労しているワイナリーが多い。
畑のスプリンクラーで水をかけたり、苦労している。
しかし今年は放っておいても、Botrytis菌が葡萄に着く。

セミヨンだけでなく、収穫が遅れたカベルネにも着いたのには困ったものだが。

セミヨンのレイトハーベスト、
と聞けばなんとなく美味しそうなワインに聞こえるが、
カビに取り付かれたセミヨンを見ると飲む気をうっする。(写真下)
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by kissouch | 2010-11-30 08:59 | news in sonoma/napa
例年、Thanksgiving の日は、
アメリカの慣習に従って、ターキー・ディナーを腹いっぱい食べて、
CowboysとLionsのアメリカン・フットボールを見て、
静かに、怠惰な一日を過ごす。

しかし、今年のThanksgiving は全く異なった。

羽田ーサンフランシスコの直行便(定期便)が就航されたことを記念して、
サンフランシスコおよび、その周辺の旅紀行番組がTBS系列で放送される。
その”サンフランシスコ周辺”に幻ヴィンヤードが含まれる。
テーマは、カリフォルニア夢紀行(仮題)。

当日、ディレクターさんに
「放送時間は3分ぐらいですか?」
と聞くと、
「3分以上はあります。笑
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」と言っていたので、
3分以上は幻ヴィンヤードの様子やターキーを食べているシーンが映ると思う。

旅の案内には、
三宅裕司さん、加藤晴彦さん、Tiaraさん。

午後2時過ぎから撮影が始まり、終わったのは7時。
総勢24人のスタッフが入り乱れ、てんやわんやの日だった。

皆さん、お疲れ様!

放送日:12月19日
時間: 14:30 ~ 15:54



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by kissouch | 2010-11-28 03:06 | 余談
私のブログの読者の方々には、
「キャノピーマネージメント」
と言う言葉を知っている人も多いだろう。

葡萄の房の周りの葉を取り除くことにより、
風通しを良くしてカビの発生を防ぐこと、
葡萄の房にある程度日光を当てることによって「グリーンな香り」を取り除く効果、
また、糖度を上げる効果もある。
どの程度取り除くかは、
ブドウ栽培家や醸造家のフィロソフィーによる。

幻ヴィンヤードでは、西側は取らないで、東側の葉を70%ほど取り除く。

今年、幻ヴィンヤードでは例年通りのキャノピーマネージメントだった。
しかし、多くのヴィンヤードでは、例年通りではなかった。
「ミルデユーの発生を恐れたこと」と
「葡萄の成長が遅れたこと」から、
例年以上に葉を取り除いたヴィンヤードが多かった。
葡萄の房が、”素っ裸”にされた。
その結果どうなったかと言うと。

9月初旬に入り、ソノマ、ナパは突然「夏」になった。
最高気温が22℃前後だったのが突然35℃以上に跳ね上がった。
徐々に気温が上がっていく場合35℃でも葡萄は驚かないが、
この急激な気温の上昇のために葡萄は拒絶反応を起こし、”サンバーン”になってしまった。
つまり、葡萄が破裂したり、レーズンになった。
特に”素っ裸’にされた葡萄で、ジンファンデルに多く見られた。
また、葡萄の皮の薄いピノノアールにも大きな被害がでた。

下の写真は、幻ヴィンヤードの隣の畑。
某カルトワインCが購入する予定だった。
レーズンになってしまったために50%の葡萄は収穫されず、鳥の餌になった。
大損害。

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続く

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by kissouch | 2010-11-25 12:42 | news in sonoma/napa

デローチ・ヴィンヤードのピノノアールに、
Maboroshi VineyardのDesignate wineがあるが、
飲んだ方もあるかと思う。

(飲んだことのない方はぜひトライいしてほしい)

このデローチ・ヴィンヤードはグロワー(葡萄栽培農家)をとても大切にもてなす。
取引のあるグロワーを呼んで、月に一回ディナー付のテイスティングを行うのもそのひとつだ。
参加しているのがグロワーだけに、
そのテイスティングで話題になるのが、何処の葡萄が優れているかだ。
ワインは全てブラインドでテイストして優劣をつける。
それぞれの葡萄がどのワインに使われているか知っているので、
ワインのポイントに一喜一憂がある。

ピノノアールの場合、トップ争いになるのは、
私の畑がある、Sebastopol Hills 対 Green Valley となることが多い。

(Sebastopol Hillsは正式なAVAではない。Russian River Valleyの南部に位置し、北部よりかなり気温が低く地形が複雑なため、専門家の間でSebastopol Hillsの名称が用いられる)

そんなこともあり、Green Valleyに畑を所有する Aさんとはよきライバルだ。

ハーベスト前、9月初旬にヨーロピアン・グレープ・モス(葡萄の木を傷める蛾)についての会合があった。それに参加したレベッカは、偶然にもAさんの隣の席についた。

Aさんは、今年はハーベストをしなくても良い、とレベッカに言った。
レベッカはその意味が分からず、
「Why ?]
と聞き返すと、
「ミルデユーに90%の葡萄が侵された。
そのため、泣きながら全ての葡萄を切り落とした。」と言っていた。

続く

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by kissouch | 2010-11-24 11:45 | news in sonoma/napa
ブログの更新が滞っていたので、
「どうしたのか?」と多くの方からEmailを頂いた。
今年のハーベストが例年より一月近く遅れたために、
いまだに忙しく、ブログの更新をサボってしまった。
申し訳ない。


さて、一月ほど前のローカル新聞には、
「30年ぶりの天候不順のために、20%の収穫減」という見出しがあった。

30年ぶり??それはないだろう!

なぜなら、半世紀、50年ほどソノマのヴィンヤードで働いているメキシカンは、
こんな天候は今まで経験したことがない、と断言した。
また、年配のワインメーカーたち、誰に聞いてもこのような天候は初めての経験だ、と言う。


それでは改めて2010年はどんな天候だったかと言うと。。。。

春先、冷たい雨が降り続き、発芽が2週間遅れた。
(この時点でなんとなく悪い予感がした。私はカリフォルニアに来て18年目だ。
その18年間、多少の波はあるものの、カリフォルニアの天候は安定しているので発芽が2週間も遅れることはなかった。大きく遅れても1週間程度だった。)

4月は雨模様の日が多く、5月は例年並みの気温に戻ったが、2週間の遅れは取り戻せない。

話はそれるが、フランスのカリスマワインメーカー、二コラ・ジョリーをご存知のかたは多いだろう。
彼がアメリカに来て、バイオ・ダイナミックの講演した。
その時、
「葡萄の花咲く時期はフランスのように夏至でなければならない。
カリフォルニアでは普通5月下旬から6月上旬に花が咲く。
だからカリフォルニアワインはフランスワインより劣る。」

と堂々と彼は言い切り、カリフォルニアのワイン関係者の顰蹙を買ったことがある。
さて、今年の葡萄の成長は2週間遅れのために、夏至に花が咲いた。

「今年のワインはフランスワイン並みの素晴らしいワインになるぞ!」と、ニコラ・ジョリーに言いたいところだが。。。


日本の夏は記録的に暑かったそうだが、こちらは記録的に涼しかった。
先日、幻ヴィンヤードに来られたビール・飲料関係の方が、
「今年は良く売れた!」と言われていた。

私は夏の畑仕事の後の楽しみはビールを飲むことだったが、涼しくあまり飲む気がしなかった。
今年はビールを楽しむためのバルコニーも作ったが、使うことはほとんどなかった。

7月、8月は朝霧に覆われ、昼頃に晴れると言うパターンが続いた。
晴れても気温が低いので、葡萄の葉やヴェレージョン前の葡萄は湿ったままだ。
こういう環境を、カビ(パウダーミルデュー)が好む。
私の畑はヒルサイド且つ高いところにあるので、風が湿気を吹き飛ばしてくれるが、
平地の畑ではミルデユーのの被害が大きく出た。

続く


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by kissouch | 2010-11-23 12:20 | news in sonoma/napa