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カリフォルニアのソノマでワイン醸造に携わって早くも15年。「日本人醸造家の悪戦苦闘!」を綴ったワイン日記


by kissouch
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「空気(酸素)はコルクを通過するか? 否か?」
このクラッシックな話題に興味があるワイン愛好家が多いらしい。

2週間ほど前、このブログのコメント欄や2~3のemailでコルクの通気性について尋ねられた。
そのうちの一人、Aさんはワインショップを経営してる。
彼はコルクの通気性についてワインブログやワインサイトを丹念に調べたらしい。そして、回りまわって、わたしのブログにたどり着いたようだ。

Aさんの話では、
今まで、コルクを通過した酸素でワインが熟成するものだ、と思っていた。
しかし、
ワインに詳しいお客さんから、
「コルクは空気を通さない。」
と言われたらしい。(お客様には逆らえない。)
半信半疑でインターネットを調べていると、さらにこんがらがってきたと言う。


Aさんから”覗け”と言われたブログなどを見てみた。
その中で、
とても難しく理論付けた「空気を通さない派」のブログには思わず笑ってしまった。(失礼!)
内外を問わず、いろいろなワインクリティックや学者?のコメントを引用し、
最後に、
「ワインがコルクを通して呼吸をする。」というのは迷信だ。
と、括ってあった。

(オイオイ、それほど難しく考えることはないぞ、と言いたくなる。)

この”疑問”に対する答えは簡単で、
古くから言われているように、コルクは空気(酸素)を通す。
(私の経験から断言できる。)

15年ほど前、某、大きなワイナリーでラボテクニシャンとして働いていた時のこと。
現在、安い白ワインはスクリューキャップやシンセティックコルクを使うが、当時は全てコルクを使用した。安いワインには当然安いコルクを使う。目の粗い、短いコルクや、コルクダストを再生したツィンディスクコルクなどだ。
このようなコルクを使用するワインはデイリー用で、ボトリング後すぐに出荷され、消費されることが前提だ。
また、ボトリングから消費までのサイクルが早いので、このようなワインは立てて取り扱われる。
つまり、箱の中でも、スーパーの棚でもネックアップ(ヘッドアップ)で置かれる。そのため、売れ残ったまま、数ヶ月棚に立てたまま置かれたワインは酸化し、
返品されることが良くあった。

”酸化”つまり空気がコルクを通ってビン内に侵入し、ワインを酸化させたのだ。

(質の悪いコルクは目が粗いので空気を通しやすい。空気を通しやすいと言っても市販のDOメーターでも、かなり精巧なDOメーターでも計測できないレベルだ。上質のコルクを使用していれば、数ヶ月立てて保管しておいても問題はない。)

その後、返品に対処するため、私はネックダウン(ヘッドダウン)で箱に詰めるように提案した。
そうすると極端に返品が減った。

それでは、
「空気はどのようにコルクを通過するのか?」
また、
「コルクがワインで湿っているとどうして酸化しないのか?」と言う話になるが、
この話はまた次の機会に。

もっと詳しく知りたい方。
幻ヴィンヤードまで来てくだされば、ワインを飲みながらより詳しく説明します。


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by kissouch | 2008-12-17 03:50 | corks
昨夜、デローチ・ヴィンヤードへ葡萄を納めるグロワーのための、
クリスマスディナー・パーティがデローチのゲストハウスで催された。
いつもはビュッフェスタイルだったが、今年は着席で、料理はケータリングのウェイトレスが運んでくれる。
また、メニューもかなりグレードアップされている。
ワイングラスもワインに合わせて6個用意されていたので、
ゆっくり楽しめる。

ということで、今回は席について周りの人とゆっくり会話が楽しめた。

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1つのテーブルに8人が着席。
私たちのテーブルだけに、
リリース前の2007年デローチ・幻ヴィンヤードが供された。
2007年もとても良いヴィンテージだ。
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時間が経つにつれ、アルコールが入ってくると話が盛り上がる。
同い年とわかったパティー(ブロンド)とダイアン(ブルネット)が、
赤裸々な話を始める。
ドキッとするような内容で、
ここには書けないが、
このような会話を引き出すワインの力は凄いナーと感心する。
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6時前に始まり、終わったのは10時を回っていた。
楽しいひと時であった。

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by kissouch | 2008-12-13 07:26 | 余談
サンクスギヴィング頃からソノマ・ナパも朝夕冷え込むようになった。

「晩秋」も終わり、冬の気配が漂う。

葡萄の樹の葉は落ち、すっかり眠りについたようだ。

来年の2月まで、ゆっくり眠り続ける。


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by kissouch | 2008-12-11 04:38 | vineyard 2008

Bench Trial......

数年前、帰国したとき、某ワインバーでアンフィルターの高級シャルドネを薦められた。
ワインを注いでくれたウェイター君は、
「すごい澱でしょ。さすがアンフィルターのシャルドネですね。」
と、自慢げに話した。

しかし、ワインメーカーとして常識の範囲でワインをトリートメントしておけば、
アンフィルターのワインであっても澱は出ない。


それでは、ワインメーカーとしてのその常識とは。
1)再発酵しないようにワインが完全にドライであることを確認する。
2)ML発酵が完全に終わったことを確認する。(アンフィルターの場合)
3)Heat Stabilityのチェック。
4)Cold Stabilityのチェック。

まず、上記のワインバーでのシャルドネの澱はとてもスライミーだったので、1,2,3のどれかがおろそかだったと思われる。
そして、ワイン自体にCO2があまり見られなかったので、1と2は除かれる。
ということは、3を怠ったようだ。

ワインが熱を受けるとワイン中のプロテインが現れだし、ワインが白濁する。
そして時間が経つとそれが沈下し、澱のようにビン底にたまる。
上記のシャルドネは 3)に全く気を配っていないようだ。


どうしてこのような話を持ち出したかというと、
先日リリースした幻シャルドネはどのように清澄したか、というemailが来たからだ。
こちらでは、Finingが清澄に当たる言葉だが、意味合いはちょっと異なる。
(それを述べだすとかなり長くなるので、この次に)

清澄といっていいのかどうかわからないが、
(3)のプロテインを取り除く作業はかならずしなければならない。
そのためにベントナイトをワインに入れる。
ベントナイトはワインの他の要素も取り除くので、ミニマムで入れる。
その量を決めるのをベンチトライアルという。(下の写真)


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ゆえに私のシャルドネはベントナイトで清澄している。(プロテインを取り除いている。)

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by kissouch | 2008-12-04 04:01 | ワイン醸造/vinification