カリフォルニアのソノマでワイン醸造に携わって早くも15年。「日本人醸造家の悪戦苦闘!」を綴ったワイン日記


by kissouch
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フランスのお金持ちが富士山麓に6ヘクタールのブドウ畑を購入した。
 
さてさて、その本音は??

日本食ブームは世界中を席巻している。

ソノマにも多くの日本食レストランがあるが、その”味”は国際色豊かだ。
ベトナム人が経営していた「すしレストラン」の「甘いカレー味のすし」は忘れられない。
しかし、オーセンティック(本物)な日本の味を食べたいのなら、日本人経営の日本食レストランに行かなければならない。

ワインもこれと同じコンセプトだろうか?
日本食にあわせるワインは、
「日本のテロワールで育った葡萄で造ったワイン。」
がオーセンティックと言うことか。

それともただの話題づくりか?




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by kissouch | 2008-03-31 09:37 | wine link

UCDavis の最新情報(2)

2)Temperature Gradients During Red Wine Fermentation
David Block @UCDavis

2ヶ月位前だっただろうか。
goooogleでアルことを調べていると、読売新聞のウェブサイトで、ボルドーワインの検定(だったと思う)、と言う題目でワインに関する問題が載っているのを見つけた。
その中に、赤ワインの発酵温度はどれくらいか? という質問があった。

私がワインを造るとき、発酵温度をMax78F(25~26℃)にセットするので4(3?)者択一の中にあった25℃を選んだ。
そして回答を見ると、25℃は間違いだった。
(このサイトによると、どうも私のワインの造り方は間違っているらしい。)

しかし、よく考えてみると発酵が始まってから終わるまでの間、温度が一定なわけがない。

私のワインを例に取り、温度変化を見てみると、

コールドソーク時のマストの温度は8℃~10℃ぐらい。
発酵が始まったなと確信する温度は12℃~15℃ぐらい。
タンクの上からマストを覗いて、CO2のために頭がクラクラするのが20℃ぐらい。
ピーク時の温度25℃が続くのはせいぜい2日くらい。
そして、20℃前後に下降する。

上記サイトだけでなく、ワイン雑誌でもよく見かける 発酵温度 という言葉。
「赤ワインの発酵温度は xx ℃」 と決めつけることはまったくナンセンスだ。

(確認のため、もう一度読売新聞のサイトの中にあった ボルドーワインの検定 を探してみたが、見つからない。他にも”怪しい問題”があったので削除したのだろうか?)


さて、デイヴィッドのクラスはこの発酵温度について。
彼はタンク全体の”温度地図”を色で示して説明した。
高温部分は赤色、そして低温部分は青色と言うように。
キャップの下、ジュースのトップの中央部分が赤く、温度が最も高い。タンク容量にもよるが、高温部と低温部では5℃以上のひらきがある。

ワインの発酵中はポンプオーバー(へモンタージュ)やパンチダウン(ピジュアジェ)を行う。
これはキャップにジュースをかける作業、あるいはキャップを沈める作業であるが、同時にタンクの温度を一定にする目的もある。
ポンプオーバーで、下部の冷たいジュースを上部からスプリンクラーディバイスで散布して、温度を一定にしようとする考えなのだが、
デイヴィッドのリサーチによると、ジュースを少々循環させただけでは、タンク内のジュースとキャップの温度が同じにならない。
(温度地図では青い部分がかなり少なくなったけれど、まだ残っている。)
それではポンプオーバーの回数を増やしたり、時間を長くすればよいわけだが、そうすると今度はタンニンなどの抽出が多すぎて、味にエグミが出てしまう。

そのあたりの駆け引きが、醸造家の腕の見せ所だろうか。



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by kissouch | 2008-03-28 05:11 | wine link
先週、UC Davis のクラス「Recent Advances in Viticulture and Enology」に参加した。UCDavisで、また「Recent Advances」と言う言葉が使われているので、世界で最も進んだワイン醸造およびブドウ栽培の情報が得られると期待して、多くのワインメーカーやヴィティカルチャリストが出席していた。

わたしの家から Davis まで車で1時間40分 かかる。
当日8時から登録が始まるので、朝の渋滞などを考慮すると2時間前、6時に家を出なければならない。
2週間ほど前にセーヴィングタイムが始まり、朝早く起きるのはつらい。
しかし、興味あるテーマが続いているので見逃せない。
まだ真っ暗な早朝、眠い目をこすりなら友人とデイヴィスに向かった。


1) Recognizing and Eliminating Sulfur Taints With Taint demonstration
Linda Bisson  professor @ UCDavis

リンダのクラスは、私がカリフォルニアに来た当時何度かとった。
もう15年ほど前なので当然なのだが、
ダークブロンドだった髪の毛が半分グレーになっていた。
しかし、彼女のテンポのよい話方は変わっていない。
今回のテーマは SulfurTaint(イオウ化合物によるワインの汚染。日本では”還元臭”という言葉が使われているが、あまり適切な言葉とはいえない。)

ワインを開けたとき、イオウ臭(温泉や腐ったタマゴ)を経験した方がいると思う。
ワインのフルーティーな香りを楽しもうとしているときに、いきなりこのイオウ臭が来るとガッカりする。特に、ワインが呼吸できないスクリューキャップではこの問題が多い。
ワインに空気(酸素)をなじますと消えるのが普通であるが、重症のワインは空気だけでは消えない。
どうしてワイン中にこのような臭いが発生するかというと、
発酵時にイーストにとって十分な食料(栄養分)がワイン中にないと、イーストが欲求不満を起こしてワイン中にイオウ化合物を発生させる。
初期は簡単なフォーメーションなので空気にさらせばたいてい消える。
しかし、時間が経つとそのフォーメーションは複雑になる。

H2S -> Dimethl sulfide -> mercaptan etc

複雑なフォーメーションになると、ワインと空気を混ぜただけでは消えない。
そして、フォーメーションが複雑になればなるほど、ワインのトリートメントも難しくなる。
(何もせずに、「これが自然ワインだ。」と豪語する方もおられるが。)

イオウ化合物を発生させやすいイーストストレインとさせにくいイーストストレインがあるのはわかっているが、リンダの推奨ストレインはUCD952だ。彼女のリサーチによると、このストレインはほとんどイオウ化合物を発生させないらしい。

また、ワインの樽熟成に、シュール・リーを使うワインメーカーが多い。
タンニンがより成熟し、ワインが深みを増す。しかし、ある一定の時期を過ぎると、ワインに不快なフレーバーつくことがある。アスパラや玉ねぎ、ニンニクだったり、腐った肉の臭いだったり。
これらは、やはりイーストからのイオウ化合物に由来する。
ゆえにラッキングのタイミングを見極めるのが大切だ。

リンダの影響を受けたわけではないが、昨日、2007年ヴィンテージのラッキングを終えた。
H2Sはまったくなく、非常に素晴らしい香りだ。


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by kissouch | 2008-03-25 01:49 | wine link
SPAMが多いのでコメント欄を削除した。
コメント、質問等はemailで。

で、早速、某レストラン関係の方からemailで質問が来た。
どうしてスプリンクラーが霜害を防ぐのか? だ。

もっともな質問で、カリフォルニアに来た当時私も疑問に思った。
葡萄の芽に水をかければ返って冷えるのでは、と思ったりした。

ところで、日本では簡単な質問をすると、「馬ッ鹿じゃない?」という目で見られたりするが、
アメリカでは実にくだらない質問をしてもそういうことが無いので、どんなことでも”安心”して質問ができる。
実に良い風潮だ。

ワインカントリーでは「霜害はスプリンクラーで防ぐ。」というのは常識で、「何故」って聞くのは気が引けた。しかし、サンタローザJCでヴィティカルチャーのクラスをとったとき、スプリンクラーのことを質問してみた。
そのときの先生、リッチー・トーマスは丁寧に答えてくれた。

*発芽したての芽はとても柔らかく、軽い衝撃で傷ついてしまう。
*その芽を形成するセルの内部は99%以上が水である。
*水は0℃で凍ってしまう。
*水は凍ると体積が約1.1倍に増す。
*つまり、芽のセル内の水の容量が、凍ることにより1.08倍ぐらいになる。
*そのときセルは破壊される。
*それを防ぐにはセル内の水を凍る一歩手前の温度に保てばよい。
*スプリンクラーの水は、冷たいが0℃より暖かい。
*その水を芽にずーっと散水してれば、散水中はセル内の水も同じ温度に保たれるので、
セル内の水が凍結することはない。

ということだ。

ワイン醸造やヴィンヤードに関して質問がある方は、気兼ねなしにどうぞ。
アメリカ風に、私のわかる範囲で答えます。


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by kissouch | 2008-03-22 03:57 | ヴィンヤード/vineyard
こちらナパ・ソノマでは、そろそろ葡萄の木の発芽が見られるようになった。

日中はすっかり春の陽気だが、
朝晩はまだまだ冷える。
先日、朝の気温が零度近くまで下がった。
霜害を防ぐため、低地の畑では、あちらこちらでスプリンクラーが回っていた。

この光景は結構壮快である。

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この時期は、ヴィンヤード関係者にとって天気予報の気温がとても気になる。

スプリンクラーは温度計と連動していて、気温が0℃近くになると自動的に働くようになっている。
しかし、ブドウ栽培家には”モダンテクノロジー”を信用しない人が多い。
「早朝の気温が低くなる」と聞くと、
スプリンクラーが正常に働いているかどうか確認するために、
彼らは朝3時に起きて畑に出て行かなければならない。
(霜害の程度にもよるが、もしひどい霜害を受けるとその年の収穫は半分以下になる恐れがある。)

スプリンクラーを備えていない平地の畑はもっと大変だ。
ファンをまわしたり、ヒーターをつけたりと、徹夜で仕事をしなければならない。


マボロシヴィンヤードはヒルサイドなので、この程度の温度では心配する必要が無い。
(勾配のある畑での仕事はきついが、このような利点もある。)

***マボロシヴィンヤードに来られる方は、
email で必ず事前にアポイントを取ってください***
SPAMが多いのでコメント欄を削除しました。



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by kissouch | 2008-03-18 11:23 | ヴィンヤード/vineyard

Stella

Stella、LA在住のシンガー。
今後のプロモーションのために彼女が東京を訪れたとき、
六本木ヒルズのオークドアーでディナーをとった。

彼女は、女性には珍しいカベルネ好き、Cab Lady だ。
彼女が飲みたいワインをソムリエさんに伝えると、
そのソムリエさんは、 
Maboroshi Cabernet Sauvignon 2002
を選んだ。(Good Choice!)
彼女はとても気に入り、アメリカに帰国後私に連絡してきた。
先週、わざわざロサンゼルスからマボロシヴィンヤードに遊びに来た。

ピノノアールの畑を見て、
ピノノアールをテイスティングをして、
そろそろ、彼女は Pinot Lady に変身しようとしている。


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Stellaはブラジル日系3世のキュートな女性だ。
彼女のプロファイルはここをクリック。
i-tuneでも配信している
3月の末には日本でのプロモーションが始まる。
興味がある人は是非コンサートへ。


***マボロシヴィンヤードに来られる方は、
email で必ず事前にアポイントを取ってください***



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by kissouch | 2008-03-16 01:28 | wine link

cork trial..

ここ数年、ドルはユーロに対してとても弱くなった。
これはカリフォルニアの醸造家にとって歓迎できない。

数年前まで、タランソーやフランソワ・フレアなどの高級フレンチオーク新樽が1樽$700前後だった。しかし、それらが徐々に値上がりし、去年から$1000を越すようになった。

同じくコルクも値上げされ、私が使用しているトップグレードのコルクは20セント高くなった。
今年の価格は、カベルネソーヴィニヨン用で一個90セント~1ドル、ピノノアール用で一個70セント~80セントする。
$10以下の安いワインに使用される低グレードのコルクでも、20セントを越えるようになった。
そのため多くのワイナリーでは、安いワインをスクリューキャップに切り替えているようだ。
スクリューキャップなら10セント~15セントなので、大量に瓶詰めする大きなワイナリーならかなりのコスト削減につながる。

それではすべてのワインをスクリューキャップに変えればドル安を嘆かなくても済む、わけだが、どこのワイナリーもプレミアムワイン以上になると、コルクからスクリューキャップに移行するには抵抗感がある。
2年ほど前、TCA問題があちらこちらのワイン雑誌を賑わした時、白ワインだけをスクリューキャップに切り替えたワイナリーもある。また、高級赤ワインをスクリューキャップ50%、コルク50%と、”実験”したワイナリーもあった。
しかし最近ではTCAの話題も下火になり、スクリューキャップの話を持ち出す者もいなくなった。
そして、カリフォルニアはアメリカで最も環境問題に敏感なグリーンな州だ。
その州で

ナチュラルプロダクトのコルク


金属+プラスティックのスクリューキャップ

とを天秤にかければ、誰でもコルクを選ぶ。(価格に拘らず)

また、スクリューキャップを開けるとき手を切った、と言うニュースを聞いたことがある。訴訟の国、アメリカでは、このニュースは聞き捨てなら無い。
ワイナリーにとってちょっと危険が伴う。

最後に、歴史の短いアメリカでは、意外と伝統を重んじる傾向がある。
コルクをコルクスクリューで開ける”儀式”は、アメリカ人にとって捨てがたい。

ニュージーランド産ワインは90%がスクリューキャップだが、上記の理由から、カリフォルニアワインではコルクの使用率がまだまだ高い。

さて、ボトリングはまだまだ先だが、コルクの選定はできるだけ早くしたほうがよい。
良いロットはすぐになくなるので。

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TCAに関しては以前の記事を参考に。
TCA 1
TCA 2


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by kissouch | 2008-03-14 00:23 | corks

micro climate

ソノマでは、霧の発生には2通りのパターンがある。

一つは、大地の水分が暖められて霧が立ち込める、ごく普通のパターンである。

もう一つはソノマ(カリフォルニア)特有で、海から霧が川を逆流するように遡ってくる霧だ。
この霧は、とても冷たく、ソノマのヴィンヤードにいろいろな気象変化をもたらし、そして葡萄の成熟に大きな影響をもたらす。

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ハイウェイ101沿いにぺタルーマからサンタローザに遡る霧。
すごい勢いだ。
写真ではわかりにくいが、上部では霧が波打つ。


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by kissouch | 2008-03-12 00:05 | micro climate

flying cockroach

私の娘、エイミーは日本語をある程度話すが、
12歳になる長男、ルークはほとんどだめだ。
日本語を身につけさそうと、こちらで日本語レッスンに通わせたり、
また、夏休みは日本の私の母に預けたりしている。
こちらの夏休みが始まるのは6月中旬。
日本の学校は7月20日前後。
その1月余りの差を利用して、日本の小学校に入れたりもしてみた。
しかし、本人にやる気が無いのでなかなか上達しない。

2年前、ルークが日本から帰ってきてとても驚いたことがあるという。
ゴキブリを見つけ追いかけると、
そのゴキブリが反転して、
ルークめがけて飛んできたのだ。

よほど驚いたらしい。(この経験をした人は多いと思う)

いまだにその話をすることがある。

ところでどうしてゴキブリの話になるかというと、
このゴキブリが ”農薬の代わり” になるかもしれないようだ。
テキサスでのリサーチでは、そのゴキブリが野菜やとうもろこしにつく害虫やその卵を食べてしまうと言う。
そして、作物にはまったく傷つけないらしい。
そのリサーチでは、
flying cockroach from Asia
と述べられているだけなので、日本のゴキブリかどうかはわからないが。


そして、このゴキブリをカリフォルニアに連れてきて、
ブドウ栽培にも役立てられないかと考えているリサーチャーがいる。

葡萄の周りをゴキブリが這い回っているのを見ると。。。。
あるいは、ゴキブリが葡萄の樹から樹へと飛び回っているのを見ると。。。
ちょっと、どうかと思うが。

アメリカの東海岸や南部は湿度が高く日本の気候に似ているので、ゴキブリの繁殖には適しているかもしれない。(レベッカはヒューストン(東部テキサス)で日本の2倍サイズのゴキブリを見たことがあるらしい。)

しかし、乾燥しているカリフォルニアの葡萄畑でゴキブリはサバイブできるのだろうか?


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by kissouch | 2008-03-08 04:55 | 余談