カリフォルニアのソノマでワイン醸造に携わって早くも15年。「日本人醸造家の悪戦苦闘!」を綴ったワイン日記


by kissouch
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ML completed

今年の冬は例年より寒い。
このあたりではほとんど雪が降らないが、今年は少々事情が違う。
3日前、メンドシーノ中部では積雪のためハイウェイ101が閉鎖された。
ソノマ・ナパの山間部でも積雪が報告されている。

ところで、マロラクティック発酵を担うマロラクティック・バクテリアは温度とpHにとても敏感だ。温度が低いと活動をとめてしまう。pHが低いと活動が鈍る。
「それでは暖かくなるまで待てばいいじゃないか。」と思うがそういうわけにもいかない。なぜなら、SO2を添加していないこの時期は、ワインにとってとても不安定な時期である。マロラクティック・バクテリア以外にいろいろな悪玉のバクテリアやイーストがワイン中に入り込もうと狙っているからだ。もし、この早い時期にブレットなどが入り込むようなことがあれば、パニックに陥るワインメーカーもいるだろう。

さて、この寒さにもかかわらず幻ピノノアールのマロラクティック発酵が先週終了した。今年は新しく培養されたバクテリア、「イノコッカス・イノの変体」を使用したことが功を奏したようだ。

しかし、シャルドネはpHが低いので、マロラクティック発酵が終了するにはまだ一月以上かかりそうだ。まだまだ不安な日が続く。



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by kissouch | 2007-12-29 12:12 | ワイン醸造/vinification
ワイン好きな方なら、映画「モンダヴィーノ」を見たことがある人は多いと思う。
ワイン醗酵前、下着をつけただけで大きな樽のぶどうジュースの中に入っていった人物を覚えているだろうか?
彼が、現デ・ローチ・ヴィンヤードのオーナーである。名は、ジャン・シャルル・ボワセ。

デ・ローチ・ヴィンヤードはサンタ・ローザで古くからワイン醸造を行っていたが、数年前に銀行破産をし、フランスのボワセ・ファミリーに買収された。名前はそのまま残し、オーナーがジャン・シャルルに代わった。そして彼は、ピノノアールのスペシャリスト、グレッグ・ラフォーレをワインメーカーに迎え、デ・ローチ・ブランドを立て直した。

先月、このジャン・シャルルと話す機会があった。
奇遇にも、私がブルゴーニュで1年間働いたアルマン・ルソーのオーナー、シャルル・ルソーと友達であった。このクリスマスもディナーをともに過ごすといっていた。もちろん、デローチ・ピノノアール・マボロシヴィンヤードを飲むとのこと。(シャルル・ルソーのコメントをぜひ聞いてみたい)

さて、2006年のデ・ローチ・マボロシヴィンヤードがリリースされた。(一般にはもうすぐ)
興味がある人は幻ピノノアールと飲み比べると面白い。


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by kissouch | 2007-12-28 02:46 | wine link

狸は蜂蜜が好き?

ぶどう畑はいろいろな野生動物が行き交う。

2週間ほど前の夕方、狐の親子が私の前、数メートルのところに現れた。私を一瞥したが驚きもせずに歩いて前を横切った。狐はぶどう畑に「益」もないが「害」もないので追い払うこともしなかった。
夜になるとコヨーテやラクーン(狸の一種)が徘徊する。コヨーテが遠吠えすると、それにつられ、次々と遠くのほうからコヨーテの遠吠えが聞こえてくる。結構気味が悪い。
そして深夜にはフクロウが活動しだす。それほど大きな鳴き声ではないが、ここに住み始めたころはうるさくて何度も目を覚ました。しかし、フクロウは「益」となる動物なので、「フクロウの鳴き声は子守唄」と自分に言い聞かせて我慢している。

さて、ラクーンは葡萄を食べるので「害」となる動物だが、鹿や鳥に比べるとその量はずーっと少ないし、どこか愛嬌があるのでそれほど憎めない。
先日、レベッカが畑仕事をしているとき大きな穴を見つけた。
ゴーファー(野鼠の一種。モグラのように地下に穴を掘り葡萄の木の根を荒らす害動物。)の穴にしては大きすぎる。ウサギの穴でもないようだ。ということで、掘り返してみた。
なんと、沢山のミツバチの巣が出てきた。
まさかラクーンがここで養蜂を営んでいたわけでもあるまいし。たぶん、どこかから運んできてここに隠したのだろう。ラクーンには悪いが、ミツバチの巣と蜂蜜は埋めてしまった。

2008年ヴィンテージの幻ピノノアールは蜂蜜の香りがするかもしれない。

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by kissouch | 2007-12-26 02:33 | ヴィンヤード/vineyard

sunrise at Maboroshi Vineyard

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今年の夏に日本からこられた方が、
「あっ、雲が出ている。」
と驚かれたことがあった。

「Sunny California」という言葉があるように、
こちらナパ・ソノマでは、ブドウの成長期から収穫時期まで雨が降ることがほとんどない。
雲ひとつない青空の日が続く。

しかし、サンクスギvングが終わり、クリスマスが近づくとよく雨が降る。
もし、カリフォルニアの雲を見たければ冬に来るといい。


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by kissouch | 2007-12-23 11:41 | ヴィンヤード/vineyard

Highway 101 Bandit

以前、聞いたジョーク。
「アメリカ固有の伝統的な職業は何か?」
「銀行強盗。」
あまり面白くは無いが、アメリカではいまだに銀行強盗が多発している。
その手口は100年以上前から同じだ。
銀行に入るなり、銀行員に銃を突きつけ、現金を奪い、逃走する。
昔と今の違いは逃走手段が馬から車に変わったことくらいだ。
(警察官がニュース番組でリポーターに言っていた。)
また、いずれも数分の出来事なので検挙率は低いらしい。
(警察が駆けつけたときは、逃走した後。)

さて、「Highway 101 Bandit(ハイウエイ101の盗賊)」と呼ばれていた銀行強盗が先週逮捕された。
サンフランシスコのゴールデンゲート・ブリッジから北上する高速道路がHighway 101であるが、1時間ほど車で走ればソノマ・カウンティーにたどり着く。そのHighway 101沿いの銀行を狙った犯行のため「Highway 101 Bandit」とニックネームをつけられた。
犯人はアーサー・チェニーという64歳のナパ在住の男。
ハイウエイ101沿い、および他の地域の銀行も含め17の銀行強盗を犯した。
(64歳で17件の銀行強盗とはたいしたモノだ。友人の談)

この男、新聞の顔写真を見るとどこかで会ったような気がする。
新聞を読み続けると、彼の仕事はリムジンの運転手で、ナパ・ソノマのワイナリーツアーをしていたらしい。ワイン関係者の間では結構有名人で、ニューヨーク・タイムスにも取り上げられたことがあるという。

意外な犯人逮捕のため、ワイナリーの間でちょっとした話題になっている。



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by kissouch | 2007-12-18 05:15 | news in sonoma/napa
数年前、インターンとしてハンガリー人のシルビアがワイン醸造を学びに来ていた。カリフォルニアに来ることは子供の頃からの憧れだったという。特に、いろんな映画に出てくるサンフランシスコの街並みを辿って歩くのが楽しみだった。
同じくインターンのフランス人、パスカルはテレビ番組の「ベイ・ウォッチ」に憧れてカリフォルニアにやってきた。休暇をとってLAのビーチを一回りしたらしいが、残念ながら「ベイ・ウォッチ」に出てくるパメラ・アンダーソンのような女性にはめぐり合えなかったようだ。(TV番組のベイ・ウォッチは世界中で最も人気のある番組らしい。男性には。。。)

シルビアやパスカルのように、カリフォルニアを訪れる人々の目的は多々あるが、一番はディズニーランド、そして2番目は「ナパ・ソノマのワインカントリー」だ。
もちろん、日本からナパ・ソノマに来られる方も多い。そして、将来、ナパ・ソノマのワイナリー巡りを計画されている方も多いだろう。
アメリカでの運転、英語に自信があれば、レンタカーを借りて自分でワイナリー巡りをするのも良いだろう。しかし、飲酒運転の取り締まりは日本同様こちらでも厳しい。また、ワイナリーツアーに参加すると言う手もあるが、回るワイナリーは有名ワイナリーに限られ、自分の希望するワイナリーに行けない。
そのような時、『ワインカントリー日本語ガイド』を主催する小林真奈美さんに相談するとよい。彼女が行きたいワイナリーへの予約、案内、通訳、コーディネートをすべてしてくれる。
もちろん、幻ヴィンヤードへも案内してくれる。
関西人の気さくな女性だ。


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by kissouch | 2007-12-13 05:04 | wine link

Batonnage

半年ほど前のこと。
某ワインラボ主催で、ハイエンドのシャルドネのテースティングが催された。
そのテースティングの後のワインに対する質疑応答で、
「バトナージュはどのくらいの頻度で行うのが最適か?」
と某有名女性ワインメーカーから質問があった。
主催者は,
「バトナージュとは何ですか?」
と切り返し、その場は笑いで包まれた。
というのも、その女性ワインメーカーはイギリス系であるにもかかわらず、”フランスかぶれ”のため、主催者が皮肉ったのだ。
「バトナージュなんてフランス語を使わず、ステアリングと言えよ。。。。ここはカリフォルニアなんだから。」という意味合いが込められていたのだろう。

バトナージュ=ステアリング=攪拌?
であるが、ハイエンドのシャルドネには欠かせない作業だ。
ハイエンドのシャルドネは葡萄をプレスしたあと樽で発酵させるが、樽に入れるとき澱(オリ)を何パーセント入れるかが重要なポイントだ。最終的にどのようなワインに仕上げるか、によって澱のパーセンテージも変わる。私はリッチなシャルドネを好まないので少なくした。

そして、発酵が終わると、バトナージュ(ステアリング)を行う。ちょうどゴルフのパターのような器具を使って、樽の底に溜まった澱を攪拌する。そうすることにより、澱の旨味がワインに伝わるという。
上記の女性ワインメーカーが質問したように、ステアリングの頻度も重要なポイントだ。週に2~3度行うワイナリーもあれば、月に一度のところもある。今年の幻シャルドネは、週1回の割合で行っている。ステアリングは結構重労働であるが、この作業は3月頃まで続けなければならない。

さて、澱のパーセンテージ、ステアリングの頻度が正しかったかどうか、来年12月にリリースされる幻シャルドネを試飲してコメントを。


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by kissouch | 2007-12-08 03:50 | ワイン醸造/vinification

Syrah Syndrome


昨日のローカル新聞が「Syrah Syndrome」という見出しで、
「未知のウイルスが数年でシラーの樹を枯らす。専門家はその原因を見つけることが出来ない。」と述べている。
1) 症状は6~10年の樹齢の樹に見られる。
2) 根元や接木されたところにこぶのような物が出来、それが腫れ物のように膨らむ。
3) 葡萄の蔓は普通の葡萄の樹より短く、初夏に濃い緑となるはずの葉が赤くなる。
4) その結果、フルーツ量は著しく低下し、健康な葡萄が収穫できない。
カリフォルニア全体で約700エーカー(全体の約4%)のシラー畑でこのような症状が問題となっている。ひどい畑では30%の樹を引き抜いて、新しいルートストック・クーロンに植え替えなければならない。財政的にかなりの負担を強いられる。
しかし、楽観視しているグローワーも多い。フィロキセラやシャープシューターがもたらすピアース・ディジーズに比べれば脅威は少ないと。

フランスのローヌ地方では、このシンプトンが1990年前半に報告され、それ以来原因究明に力が注がれているがまだ解明されていない。

シラーズ(シラー)の本家、オーストラリアではこのような病気は報告されていない。
オーストラリア人はグラフティングのテクニックが一枚上手のようだ。



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by kissouch | 2007-12-05 08:02 | ヴィンヤード/vineyard
長年の経験、そして気候や土壌の分析などから、ナパはボルドー系の品種、ソノマはブルゴーニュー系の品種が適していることが明らかになってきている。
「ナパ」 「ソノマ」 と一口に言っても広いので、所かまわず葡萄を植えてもよいワインが出来るわけでもないが、カベルネでよいワインを造ろうと思えばナパで、ピノでよいワインを造ろうと思えばソノマの中で畑を探せ、ということだろう。
ところで、実際、「その事実」が反映されているのだろうか?
下記に主要7品種のソノマの作付け面積を記した。(2006年現在:ソノマカウンティー・アグリカルチャー・コミッショナーより)
7品種は、シラー、ジンファンデル、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノアール、メルロー、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン。
さて、どの品種がどの作付け面積だろう?
答えはコメント欄に。
1) 14,100エーカー
2) 11,500エーカー
3) 9,900エーカー
4) 6,700エーカー
5) 5,400エーカー
6) 2,100エーカー
7) 1,800エーカー

(1ヘクタール=約2.47エーカー)



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by kissouch | 2007-12-04 07:56 | ヴィンヤード/vineyard