カリフォルニアのソノマでワイン醸造に携わって早くも15年。「日本人醸造家の悪戦苦闘!」を綴ったワイン日記


by kissouch
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Naked Lady 2

昨日、ソノマのオーガニック・グロワーのミーティングがあり、「Naked Lady」を実践しているジェイソンに会った。ジェイソンとは以前一緒に働いたことがある10年来の友人である。現在はソノマの中規模のワイナリーで約300エーカーの畑の責任者である。

彼の畑のピノノアールでは、ぶどうの房は80%裸にし、房の上20cmほどは完全に葉を取り除いてしまった。

なるほど風通しがよくなり病気になりにくいかもしれない。
で、スプレーの回数を減らしているのかと聞くと、スプレーは例年通り。

ハーベスト近くになると、サンバーン(日焼けでレーズン状になること)するのじゃないかと尋ねると、少し残した葉が防いでくれるだろう、といっていた。

葉をたくさん取ってしまうと、肝心の光合成が損なわれ葡萄の品質が落ちるのでは?と聞くと、
彼は「2007年ヴィンテージのワインを飲めばわかるよ。」と、自信に満ちた表情で。

私は「たぶん不味いだろう。」と答えておいた。
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by kissouch | 2007-06-28 05:34 | ヴィンヤード/vineyard

Naked Lady

Naked Lady=「裸の貴婦人」とでも訳そうか。

フランス、イタリアなどのように、「伝統的な方法で。。。。。」と言う言葉を使い出すと、新しい技術に対してなかなか重い腰が上がらない。
しかし、カリフォルニアンは腰が軽い。
ワイン醸造、ブドウ栽培に関してカリフォルニアの良いところは、「ためらうことなく新しいアイデアや技術を試す。たとえ失敗してもあまり気にかけず次に進む。」ことだ。
新しいアイデアや技術が全て良いわけではないが、「実践に値する」ものは多い。

失敗例ではあるが。
私がカリフォルニアに来た当時、Water Stress が話題になっていた。
ブドウの木に極力水を与えない。そうすれば凝縮された葡萄ができると言われていた。そのため多くの人々がWaterStress を試してみた。しかし、どうもその ”効能 ”はなかったようだ。
いまでは「葡萄にWaterStressを与えると良い葡萄ができず、水を与えたほうが良い葡萄ができる。」と言うのが定説になっている。

数年前には、HangTimeやCanopyManagement等が話題になり、いろいろな議論が行われた。今でもいろいろ実験が行われている。
その中で私が興味を持っているのは、Leafing。(Leaf thinning,Leaf Removalとも言う。 日本語でなんと訳されているのか知れないが、摘葉と言う言葉だと思う。)
ブドウの房の周りの葉を取り除くことだが、タイミングやどの程度取り除くかがポイントだ。
ブドウの房が日を浴びることによって、糖度が上がるのは当然だが、タンニンが柔らかくなったり、グリーンフレーバーが消えると言われている。また風通しが良くなり、カビなどが生えにくくなる。しかし、やりすぎると、葡萄がレーズンになってしまう。
普通ハーベストの2,3週間前に行われる。私の畑では、ハーベストの3週間ほど前に東側は80%、西側は50%の葉を取り除く。
しかし、ごく最近、Leafing時期は早ければ早いほどよいと言う考えが出てきた。(私には疑問だが。)某シャルドネ畑では、結実が終わった時点(6月初旬)で房の周りの葉をすべて取ってしまった。
デ・ローチのジニー曰く、「Naked Lady」。


素っ裸になったグリーンシャルドネ。
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by kissouch | 2007-06-22 12:57 | ヴィンヤード/vineyard

幻ヴィンヤード

幻ヴィンヤードにこられた方には、「なるほど。」と納得してもらえるが、写真では中々わからない。 何がわからないかと言うと、畑が急勾配であることだ。上から撮っても、下から撮っても、斜面であることはわかるが、それほど急な感じが出ない。
それではと、横から撮ってみた。
どうだろう??
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by kissouch | 2007-06-21 05:31 | ヴィンヤード/vineyard

Pinot Days

先週、Pinot Daysの事務局から,
「イベントが2週間後に迫り、消費者にもう一度7月1日にイベントがあることを思い出させてほしい。」と連絡が来た。

200近いワイナリーが参加しているので、色々なピノをテイストするとても良い機会だと思う。

when: 7月1日
where:Fort Mason SF
fee: $50
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by kissouch | 2007-06-20 06:58 | wine link

Chloe (クローイ)

今年の2月頃だったと思う。
「Big Cat Attack Cow」 という見出しが、ローカル新聞にあった。
猫が牛を襲うのか!?、と半信半疑、興味津々。
記事を読んでいくと、Big Catとはマウンテン・ライオンのことだった。なるほどマウンテン・ライオンはかなり大型の猫である。私の畑から10マイル(16KM)ほど離れたところに現れたらしい。10マイル位だったら、私の家の周りにいつ現れてもおかしくない距離だが。
2年ほど前には人が襲われているが、このライオンだろうか?

マウンテン・ライオンだけでなく、こちらソノマ・ナパにはまだまだ多くの野生動物が生息する。”野生動物が豊富”等と言えば、都会の喧噪を忘れて自然に親しむロマンティックな暮らしを連想するかもしれない。しかしそれはとんでもない話で、畑をしている以上、野生動物は百害あって一利無しである。
私の畑に現れるのは、色々な種類の鳥、鹿、コヨーテ、狐、狸で、住み着いているのはジャックラビットとゴーファー(野ネズミ:モグラのように地下トンネルを掘る)である。それに、近所の飼い猫が数匹加わるが、これらの猫はゴーファーを捕まえてくれるので歓迎している。

ハーベスト時期になると、鳥よけのネットを張るので、鳥害はある程度防げるが、鹿は困る。
畑はディアーフェンスで囲んでいるにもかかわらず、去年親子連れの鹿が3匹入り込んだ。被害は、ワインに換算して50ケース位だろうか。射殺する手もあるが、殺生はあまり好まないので、今年は犬に活躍してもらうことにした。
我が家には、14歳になるパグ(蛸兵衛、通称タコ English: Taco Bell)がいる。タコは目の前に何が現れても関心が無いので,「鹿を追い払う」と言う大役は年齢的にも果たせそうも無い。それ故、この2月に猟犬、レース犬のウイペットを購入した。
名はクローイ。(黒い、ではない。ギリシャ神話に出てくる神の一人)

さて、今年は鹿とウサギの被害がなくなるだろうか?

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by kissouch | 2007-06-16 03:14 | ヴィンヤード/vineyard

St. Helena Wine Merchants

時々、「ナパのワイナリー巡りに行った時、幻ワインを購入したいがどこで買えるか。」という質問が来る。
「ナパには取扱店は無いが、ケンウッドにあるSLセラーズのテイスティングルームで購入できる。」と、いつも答えていた。しかし、ナパからケンウッドまでかなり時間がかかるため、購入をあきらめる人がいるらしい。
という理由で、ナパのどこかに幻ワインの取扱店を探そうとしていた。
そんな時、セント・ヘレナのセント・ヘレナ・ワインマーチャンツから「幻ワインをテイストしたい。」と電話があった。(どうも、共同通信のJapan Times の記事を見たらしい。)
レベッカがテイスティング用のサンプルを持って訪れると、
「コンチハー。」 と迎えられた。担当者はアメリカ人だが、日本人観光客が多いので片言の日本語を話すらしい。テイストは5分で終わり、即、カベルネとピノノアールの取り扱いが決まった。

ナパに訪れたときは、セント・ヘレナ・ワイン・マーチャンツへもどうぞ。
ワインの品揃えは抜群のようだ。

St. Helena Wine Merchants
699 St. Helena Hwy s
800-729-9463
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by kissouch | 2007-06-16 01:35 | wine link

Market Category


エノロジクス(ワイン専門のコンサルタント・ラボ)から定期的に送ってくるニュースレターにワインのマーケットカテゴリーのことが書いてあった。プレミアムワイン、ウルトラプレミアムワインという言葉はよく使われるが他の言葉はあまりなじみが無い。参考までに。(ジョン・フレドリクソンによる価格帯からの分類)

BL - Bulk(バルクワイン=そのままでは瓶詰めするに値しないワイン。ブレンド用) $3以下
CO - Consumer Popular(安くてデイリーな消費者に人気のあるワイン) $3~$7
PR - Premium (プレミアムと言う言葉からもう少し高いワインと思っていたが。)$7 ~ $14
UP - Ultra Premium (ウルトラプレミアムワイン。このカテゴリーももっと高価格だと思っていた。)、$14 ~ $25
LX - Luxuary(ラグジュアリーワイン) $25 ~ $50
FL- Flagship (フラッグシップワイン。そのワイナリーの最高級ワイン。リザーブワインと呼ぶ所が多い)$50以上
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by kissouch | 2007-06-12 03:14 | 余談

tucking

ソノマに帰ってきてまず発した言葉は、
「お前何しててん。」
である。
普通に話すとまずいので、聞き取れないように早口で言った。
レベッカは日本に5年ほど住んでいたので、少々の日本語がわかるからだ。

この時期、ブドウの樹の成長はとても早い。特に蔓(ツル)の部分は所かまわずどんどん延びる。
ホーっておくと row(垣根?=石井さん、日本ではなんと呼ぶのですか?)と row の間の通路が蔓に覆われトラクターが通れなくなる。
また、風の強い日などは、結実しかけているクラスター部分(ブドウの房になる部分)共々蔓が折れてしまう。とくに私の畑は海風が強いので、ひどいときはブドウの樹ごと倒されてしまう。(今週既に2本倒れている。)
ゆえに、蔓をワイヤーの内側に入れる作業が必要となる。この作業がtackingタッキングである。

日本へ行く前に、レベッカにできるだけタッキングをするように頼んでおいた。
しかし、あまりはかどっていなかったようだ。
そのかわり、白かった玄関ドアーが赤色になっていた。子供の頃から赤い玄関ドアーの家に住みたかったらしい。
私が反対するのがわかっていたから、私が日本に行っている間を狙ったようである。
「鬼の居ぬ間のペンキ塗り。」というところか。
彼女にとってタッキングより、ペンキ塗りのほうが大切だったようだ。
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by kissouch | 2007-06-09 05:32 | ヴィンヤード/vineyard

日本の味

某ワイナリーでワインメーカーを勤めるジョーと言う友達がいる。彼はワインメーカーとしては珍しいウイスコンシン州出身である。彼曰く、ウイスコンシン州はチーズで有名だ。(と、少なくともウィスコンシンの人は思っている。) そして、チーズだけでなく、ウイスコンシン州は農業全般に力を入れているので、全ての農産物でウイスコンシンは他州より一歩抜きん出ている。(と、ジョーは思っていた。カリフォルニアに来るまでは。) そのため、大学に行くにあたって彼は迷わずミネソタ州立大学の農学部に入って農業の勉強をした。
そして、12年ほど前、彼はカリフォルニアにやってきた。最初は、1年ほどカリフォルニアの農業事情をリサーチしてウイスコンシンに帰る予定でいた。しかし、思わぬ出会いが彼をカリフォルニアに引き止めた。それは「カリフォルニアワインの素晴らしさに感動したからだ。」と書きたいところだが、
ちょっと違って、「カリフォルニアの野菜の美味さ」に感動してカリフォルニアにとどまる決心をした。
「冬でもこんなに美味い野菜が食べられる。」
と大喜びだったのを覚えてる。
それでは、冬は野菜抜きか? と尋ねると、スーパーにある野菜はみなしなびているので、冬場のメインの野菜は缶詰か冷凍野菜になると言う。
そして、野菜だけでなく、カリフォルニアの全ての食べ物が”美味い”と感心して、
「カリフォルニア人は幸せだ。」と言っていたのを思い出す。

さて、どうしてジョーのことを書いたかと言うと、
毎年日本に帰国すると、私は”ジョー”になってしまうからだ。
つまり、日本の食べ物の美味さを再発見する。
和食は当然ながら、フレンチ、イタリアンでも日本の方が一歩秀でてると思う。

このことを知り合いのアメリカ人に言うと不快な顔をして、どうしてそう思う、と聞き返した。
「something different ! something better!」と答えた。
この something が何か具体的には言えないが、
料理の素材かもしれないし、、、、
シェフの技量かもしれないし、、、、
食に対する日本人の感性とアメリカ人の感性の違いかもしれないし、、、、
ただ単に私がセンチメンタルなだけかもしれないし、、、、

とりあえず彼には課題を与えた。私が指定する3つの日本料理店に行くようにと。
ひとつは、中国人オーナー。
そして、次に韓国人オーナー。
最後にオーナー、シェフとも日本人。
その三軒の日本料理店を比較すれば、私が意とする something が少しはわかるだろう、と言っておいた。

さて、今回伺った、
XEX WEST,マコ・レストラン、鉄板焼き「けやき坂」、のみ山、ル・シュバル、りんごの絆
いずれも素晴らしい料理だった。
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by kissouch | 2007-06-04 11:13 | 帰国