カリフォルニアのソノマでワイン醸造に携わって早くも15年。「日本人醸造家の悪戦苦闘!」を綴ったワイン日記


by kissouch
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

カテゴリ:wine link( 64 )

UCDavis の最新情報(4)

Does thinning really improve fruit quality?
Mike Anderson @UCD

thinning=間引き とあるが、私達がこちらワインカントリーで使う言葉thinning(シンニング)は間引きの意味も含むものの、少し違う。ゆえに、ここではシンニングと言う言葉を使う。
芽を落としたり、葉を取り除いたり、葡萄の房を落としたりすることを、すべてシンニングと言う。



葡萄を生産する側にとっては利害関係もからみ、このクラスはとても興味がある。

葡萄を生産する農家は 1トン当たり 〇〇ドル でワイナリーに葡萄を売るので、
できるだけ生産量を増やしたい。
しかし、シンニングは生産量を減らす作業であるので、農家の意思とは相反する。
また、シンニングをするにあたって、多大の人件費もかかる。
だから極力シンニングを避け、葡萄の収穫高を増やしたい。

ワイナリー側は、シンニングによって葡萄の品質を高めたい。それは、ワインの品質にもつながる、と信じている。(私も含めそれが一般常識だ。)
(幻ヴィンヤードでは、4回ほどシンニングを行い、1エーカー当たり1.5~2.5トンに抑えている。)
さて、
「シンニング(間引き)をすれば本当に葡萄の品質が上がるのか?」
がこのクラスのテーマだ。
マイクはナパのスタッグスリープ地区にあるカベルネーソーヴィニヨンの畑でリサーチを行った。畑に植えられているぶどうは、

クーロン 5
ルートストック 101-14

シンニングはブロックごとに下記の3つの段階で、ぶどうの房がそれぞれ20%、40%落とされた。
1)花が咲いた後
2)ヴァレージョン時期
3)ブリックス21°になった時
そして、何もしないコントロールとそれぞれを比較する。

マイクは8月下旬から、2~3週間おきに糖度を測り、それぞれのブロックごとに比較してみた。しかし、どのブロックの糖度も顕著な差が現れない。
リサーチの結果を元に、彼が出した結論は、
シンニングの有無、シンニングの時期にかかわらず、ハーベスト時には同じ糖度になる、と言うことだ。
しかし、1)、2)とコントロールは、トータルでは同じブリックスになるが個々の葡萄の糖度にはむらができるという。
ということは、3)でシンニングすればそれぞれの葡萄の房が均一の糖度になるということだ。

そして、マイクは葡萄の品質を見極めるために、
コントロールの葡萄とシンニングを行った葡萄の品質数値を測定した。
結果は、シンニングを行った葡萄が若干良い数値を示したが、
顕著な違いは認められなかった。

マイクは、「シンニングはあまり効果が認められない。」と控えめに述べた。

さて、このリサーチは農家にとって朗報となるだろうか?

(このリサーチがワインクオリティーまで言及されていればもっと面白かったのだが。。。。。)



にほんブログ村 酒ブログ ワインへ





オリンピックスポンサー不買運動に参加中!


f0007498_458928.gif

[PR]
by kissouch | 2008-04-10 07:39 | wine link

UCDavis の最新情報(3)

3) You are what you eat: Substrate availability affects Brettanomyces Aromas
Lucy Joseph @ UCDavis

Brettanomyces--この日本語がない。あるいは見つからない。(腐敗酵母と書いてあるワイン書もあるが、正確にはソウではない。)

英語読みでは、ブレタノマイシス、あるいはボタノマイシスとワイン関連の本に書かれている。何人かのアメリカ人ワインメーカーに、普通に発音させてみると、ブレタ より ボタ に近いのでボタノマイシスにしておこう。
仏語読みでは、ブルタノミセスが多い。

このボタノマイシスと言うイースト。。。ボタノマイシスは長いので、通称=ブレット と言われる。
日本のワイン関連の本や雑誌ではあまりお目にかからない。
見つけても、 上記の腐敗酵母=ワインに不快なにおいをもたらす 程度だ。
しかし、私のブログを読んでいただいているワイン愛好家には是非覚えていただきたい言葉だ。
なぜなら、ワイン醸造に携わっている人々の会話では、このブレットと言う言葉が頻繁に出てくるからだ。
コントロールするのが難しいので、ブレットを嫌うワインメーカーは多い。しかし、中には”ブレットファン”と呼ばれるブレット愛好家のワインメーカーもいる。

ではこのブレットはどのようにワインに影響するのか?
ワイナリー内部、備品を清潔に保ち、適度のSO2をワインに添加していれば、たとえブレットが入り込んだとしても大きく増殖することはない。
しかし一度ワイン内に入り込むと、4-EthylPhenol(4EP) や 4-EthylGuaiacol (4EG) を発生させる。そして、その4EPや4EG はいろいろな香り(臭い)に”化ける”。

すこし例を挙げてみると、
馬、馬の汗、馬小屋、干草
なめし皮、ぬれた皮
濡れた犬
ねずみの糞
野生動物の糞尿
猫の尿
薬、化学薬品
バンドエイド
ヨードチンキ

タバコ、シガー
牧草、大地
野生の花  など。
(心当たりのある方もいるだろう。)

数年前参加したボタノマイシスについてのセミナーでのこと。
パネラーの一人のリサーチによると、
子供の頃の体験が、”各個人が知覚するブレットの臭い”に反映されると言う。
どういうことかというと、
そのパネラーは子供の頃よく怪我をした。
そのため、知らない間に、彼はバンドエイドや消毒薬の臭いに敏感になった。
ゆえに、4EP、4EG の値が高いワイン中に、そのバンドエイドや薬品の臭いを見つけることが多々あるらしい。

私の友人のワインメーカーは、ブレットの臭いは、
「小便で濡れた布団や毛布の臭い。」
と断言する。
と言うことは。。。。。。。。。。

では、ブレットがワイン中に存在するかどうか、を調べるには。
顕微鏡を覗けばわかるのだが、バクテリアやイーストを特定できる眼を持つのは、かなり熟練したマイクロバイオロジストだけだ。
私もいろいろクラスをとり勉強したが、自身をもってこれはボタノマイシスだ、言い切れない。

数年前、ワインサンプルをナパとソノマの2箇所の専門ラボに送った。
ソノマのラボからは、ワイン中にブレットが入っているとレポートが来た。
しかし、ナパのラボは入っていない、だった。
ボタノマイシスを特定するのには専門家でも間違う。

それ以来、4EPと4EGの数値を頼りにしている。
400ng/mLがスレスホールドで、このあたりからソムリエさんやワインをよく飲んでる女性には知覚できる。
(女性のほうが男性より嗅覚がよい)
しかし、このあたりの数値では、いわゆる複雑な香りとなり、ワインの批評家から歓迎される事が多い。
うまくこのあたりの数値で止められればそれに越したことはないが。。。。
フランスでもアメリカでも、それらをまったく気にしない醸造家もいる。(あるいは知らない?)
一度、下水道とスカンクの臭いが重なった、とてもひどいローヌワインに出くわしたことがある。
興味本位で、4EPを調べると 2000ng/mLを越えていたのを覚えている。
(いままでこのような高い値は見たことがない。)
また反対に、4EP値が800ng/mLぐらいの5級のボルドーワインが、
かすかなブレット臭とフルーツ香において絶妙のバランスを作っていたこともある。

ボタノマイシスが絶対「悪」とは言い切れない。


ルーシーのクラスは、上記のことをより詳細に分析していた。
難しい化学用語ばかりなので省略。
ただ、ワイン中の substrate と chemicaltype によっては、
悪臭だけでなく、
シトラス
ミント
甘い花の香り
スパイス など
予想外の香りも発生するらしい。


2003年ヴィンテージ
 Maboroshi Cabernet Sauvignon Napa Valley
を、リリースした。
このワインには 約380ng/mL の4EP が含まれている。

このワインを飲む機会があれば、
「ちょっとブレットが入ってるね。」
などの会話を楽しんで欲しい。


質問などはemailで。。。。

にほんブログ村 酒ブログ ワインへ





オリンッピクスポンサー不買運動に参加中!

賛同される方はコピーしてあなたのブログに載せてください!

f0007498_458928.gif

[PR]
by kissouch | 2008-04-01 03:55 | wine link


フランスのお金持ちが富士山麓に6ヘクタールのブドウ畑を購入した。
 
さてさて、その本音は??

日本食ブームは世界中を席巻している。

ソノマにも多くの日本食レストランがあるが、その”味”は国際色豊かだ。
ベトナム人が経営していた「すしレストラン」の「甘いカレー味のすし」は忘れられない。
しかし、オーセンティック(本物)な日本の味を食べたいのなら、日本人経営の日本食レストランに行かなければならない。

ワインもこれと同じコンセプトだろうか?
日本食にあわせるワインは、
「日本のテロワールで育った葡萄で造ったワイン。」
がオーセンティックと言うことか。

それともただの話題づくりか?




にほんブログ村 酒ブログ ワインへ

オリンッピクスポンサー不買運動に参加中!

賛同される方はコピーしてあなたのブログに載せてください!

f0007498_458928.gif

[PR]
by kissouch | 2008-03-31 09:37 | wine link

UCDavis の最新情報(2)

2)Temperature Gradients During Red Wine Fermentation
David Block @UCDavis

2ヶ月位前だっただろうか。
goooogleでアルことを調べていると、読売新聞のウェブサイトで、ボルドーワインの検定(だったと思う)、と言う題目でワインに関する問題が載っているのを見つけた。
その中に、赤ワインの発酵温度はどれくらいか? という質問があった。

私がワインを造るとき、発酵温度をMax78F(25~26℃)にセットするので4(3?)者択一の中にあった25℃を選んだ。
そして回答を見ると、25℃は間違いだった。
(このサイトによると、どうも私のワインの造り方は間違っているらしい。)

しかし、よく考えてみると発酵が始まってから終わるまでの間、温度が一定なわけがない。

私のワインを例に取り、温度変化を見てみると、

コールドソーク時のマストの温度は8℃~10℃ぐらい。
発酵が始まったなと確信する温度は12℃~15℃ぐらい。
タンクの上からマストを覗いて、CO2のために頭がクラクラするのが20℃ぐらい。
ピーク時の温度25℃が続くのはせいぜい2日くらい。
そして、20℃前後に下降する。

上記サイトだけでなく、ワイン雑誌でもよく見かける 発酵温度 という言葉。
「赤ワインの発酵温度は xx ℃」 と決めつけることはまったくナンセンスだ。

(確認のため、もう一度読売新聞のサイトの中にあった ボルドーワインの検定 を探してみたが、見つからない。他にも”怪しい問題”があったので削除したのだろうか?)


さて、デイヴィッドのクラスはこの発酵温度について。
彼はタンク全体の”温度地図”を色で示して説明した。
高温部分は赤色、そして低温部分は青色と言うように。
キャップの下、ジュースのトップの中央部分が赤く、温度が最も高い。タンク容量にもよるが、高温部と低温部では5℃以上のひらきがある。

ワインの発酵中はポンプオーバー(へモンタージュ)やパンチダウン(ピジュアジェ)を行う。
これはキャップにジュースをかける作業、あるいはキャップを沈める作業であるが、同時にタンクの温度を一定にする目的もある。
ポンプオーバーで、下部の冷たいジュースを上部からスプリンクラーディバイスで散布して、温度を一定にしようとする考えなのだが、
デイヴィッドのリサーチによると、ジュースを少々循環させただけでは、タンク内のジュースとキャップの温度が同じにならない。
(温度地図では青い部分がかなり少なくなったけれど、まだ残っている。)
それではポンプオーバーの回数を増やしたり、時間を長くすればよいわけだが、そうすると今度はタンニンなどの抽出が多すぎて、味にエグミが出てしまう。

そのあたりの駆け引きが、醸造家の腕の見せ所だろうか。



にほんブログ村 酒ブログ ワインへ

オリンッピクスポンサー不買運動に参加中!

賛同される方はコピーしてあなたのブログに載せてください!

f0007498_458928.gif

[PR]
by kissouch | 2008-03-28 05:11 | wine link
先週、UC Davis のクラス「Recent Advances in Viticulture and Enology」に参加した。UCDavisで、また「Recent Advances」と言う言葉が使われているので、世界で最も進んだワイン醸造およびブドウ栽培の情報が得られると期待して、多くのワインメーカーやヴィティカルチャリストが出席していた。

わたしの家から Davis まで車で1時間40分 かかる。
当日8時から登録が始まるので、朝の渋滞などを考慮すると2時間前、6時に家を出なければならない。
2週間ほど前にセーヴィングタイムが始まり、朝早く起きるのはつらい。
しかし、興味あるテーマが続いているので見逃せない。
まだ真っ暗な早朝、眠い目をこすりなら友人とデイヴィスに向かった。


1) Recognizing and Eliminating Sulfur Taints With Taint demonstration
Linda Bisson  professor @ UCDavis

リンダのクラスは、私がカリフォルニアに来た当時何度かとった。
もう15年ほど前なので当然なのだが、
ダークブロンドだった髪の毛が半分グレーになっていた。
しかし、彼女のテンポのよい話方は変わっていない。
今回のテーマは SulfurTaint(イオウ化合物によるワインの汚染。日本では”還元臭”という言葉が使われているが、あまり適切な言葉とはいえない。)

ワインを開けたとき、イオウ臭(温泉や腐ったタマゴ)を経験した方がいると思う。
ワインのフルーティーな香りを楽しもうとしているときに、いきなりこのイオウ臭が来るとガッカりする。特に、ワインが呼吸できないスクリューキャップではこの問題が多い。
ワインに空気(酸素)をなじますと消えるのが普通であるが、重症のワインは空気だけでは消えない。
どうしてワイン中にこのような臭いが発生するかというと、
発酵時にイーストにとって十分な食料(栄養分)がワイン中にないと、イーストが欲求不満を起こしてワイン中にイオウ化合物を発生させる。
初期は簡単なフォーメーションなので空気にさらせばたいてい消える。
しかし、時間が経つとそのフォーメーションは複雑になる。

H2S -> Dimethl sulfide -> mercaptan etc

複雑なフォーメーションになると、ワインと空気を混ぜただけでは消えない。
そして、フォーメーションが複雑になればなるほど、ワインのトリートメントも難しくなる。
(何もせずに、「これが自然ワインだ。」と豪語する方もおられるが。)

イオウ化合物を発生させやすいイーストストレインとさせにくいイーストストレインがあるのはわかっているが、リンダの推奨ストレインはUCD952だ。彼女のリサーチによると、このストレインはほとんどイオウ化合物を発生させないらしい。

また、ワインの樽熟成に、シュール・リーを使うワインメーカーが多い。
タンニンがより成熟し、ワインが深みを増す。しかし、ある一定の時期を過ぎると、ワインに不快なフレーバーつくことがある。アスパラや玉ねぎ、ニンニクだったり、腐った肉の臭いだったり。
これらは、やはりイーストからのイオウ化合物に由来する。
ゆえにラッキングのタイミングを見極めるのが大切だ。

リンダの影響を受けたわけではないが、昨日、2007年ヴィンテージのラッキングを終えた。
H2Sはまったくなく、非常に素晴らしい香りだ。


にほんブログ村 酒ブログ ワインへ

オリンッピクスポンサー不買運動に参加中!
[PR]
by kissouch | 2008-03-25 01:49 | wine link

Stella

Stella、LA在住のシンガー。
今後のプロモーションのために彼女が東京を訪れたとき、
六本木ヒルズのオークドアーでディナーをとった。

彼女は、女性には珍しいカベルネ好き、Cab Lady だ。
彼女が飲みたいワインをソムリエさんに伝えると、
そのソムリエさんは、 
Maboroshi Cabernet Sauvignon 2002
を選んだ。(Good Choice!)
彼女はとても気に入り、アメリカに帰国後私に連絡してきた。
先週、わざわざロサンゼルスからマボロシヴィンヤードに遊びに来た。

ピノノアールの畑を見て、
ピノノアールをテイスティングをして、
そろそろ、彼女は Pinot Lady に変身しようとしている。


f0007498_1275838.jpg


Stellaはブラジル日系3世のキュートな女性だ。
彼女のプロファイルはここをクリック。
i-tuneでも配信している
3月の末には日本でのプロモーションが始まる。
興味がある人は是非コンサートへ。


***マボロシヴィンヤードに来られる方は、
email で必ず事前にアポイントを取ってください***



にほんブログ村 酒ブログ ワインへ
[PR]
by kissouch | 2008-03-16 01:28 | wine link

ワインの資格

私が日本にいたとき(17年前)、ワインに関する資格といえば“ソムリエ”だけだった。(そのソムリエさんからワインについていろいろ教わったことも、私がワイン作りを始めた動機のひとつであるが。)
現在、ソムリエだけでなくワインアドバイザー、ワインエキスパートという資格があるそうだ。
これらの資格を目指す若者が多いと聞く。
ワインを作る私としては、ワインに興味を持つ若者が増えることはとてもよいことだと思う。
しかし、あまり”ギーク”にならないことを願う。

私のブログを読んでくださる方の中にも、資格を取ろうと思っていらっしゃる方がいるかもしれない。そんな方へのお薦めが、
下記の「ワインとグルメの資格と教室」だ。

f0007498_134327.jpg


ページ中ごろに私も登場している。
海外でワイン関係の仕事をしたい方の参考になればと、座談会に参加した。
(私が言ったことが編集された方に正しく伝わらなかったところや、間違って解釈された言葉が少々あるが。)
興味のある方はどうぞ。


にほんブログ村 酒ブログ ワインへ


人気ブログランキングへ
[PR]
by kissouch | 2008-02-18 13:10 | wine link

Jean-Charles Boisset

幻ヴィンヤードで収穫されたピノノアールの半分はデローチ・ヴィンヤードが購入する。
そこでボトリングされたワインはデローチ・マボロシ・シングルヴィンヤードとして販売される。
カリフォルニアワインをヨーロッパで販売するのはかなり難しいが、このワインが最近、ヨーロッパ、特にイギリスで人気が出ているらしい。デ・ローチのオーナーがフランスのネゴシアン、ボワセ・ファミリーで、ヨーロッパでの販売網がしっかりしているからだろう。

昨日、オーナーのジャン・シャルル・ボワセが幻ヴィンヤードに訪ねて来た。
以前にも触れたが、彼は映画「モンダヴィーノ」に登場してる。
下着一枚で発酵が始まりかけたぶどうジュースの中に入り、自分の手足で”ピジェアージュ”をしていた。そのとき彼のプライベートなところがチラッと顔を出したのを覚えている方もいるだろう。
映画の話をすると、彼は毎年この作業を行うのを楽しみにしているとのこと。
できれば昔ながらの伝統的な、”素っ裸”でワインの中に入りたいと言っていた。
そういえばフランスにいた頃、ボーヌのワイン博物館で、数人の全裸の若者がお互い腕を組み合ってワインジュースの中を歩き回っている写真を見たことがある。(写真では楽しそうに見えるが、このぶどうジュースの中はかなり冷たい。赤い冷水風呂に入っているようなものだ。私も一度だけだが経験がある。)

ところで彼が訪れた理由は、畑をどうしても見たい、と言うことだった。
彼はその眺望と畑のコーディネーションが気に入ったらしく、畑の頂上から ワンダフル!ワンダフル!を連発していた。
「あと羊の姿があれば完璧だ。」と付け加えた。
というのも、彼はバイオダイナミック信奉者だからだ。フランスに所有する葡萄畑の90%はバイオダイナミックで栽培されている。

私の畑はちょうど葡萄の剪定中で、切った枝をそのまま置いている。
「この枝をどうするのか、燃やすのか?」と聞いたので
「 切り刻み土に戻す。」と答えた。

彼の場合、特定のレストランシェフと組んで、乾燥させた枝を料理に使うと言う。

「剪定した枝を食べるのか?」と聞くと、
「ノン、ノン。。肉を焼くときなどにその枝を燃料として使う。」と答えが返ってきた。

つまりそのコンセプトは、、、、
私の畑を例に取ると、
幻ヴィンヤードで剪定された枝を燃やして肉を焼く。
そうすることにより肉に幻ヴィンヤードの”テロワール”が伝わる。
そのとき幻ピノノアールを飲めばこれほど完璧なマリアージュは無い、
と言うことだ。(さすがフランス人!と感心した。)

その後自宅でテイスティングをした。

もう20年以上前のことだが、ソムリエの右田さんからテイスティングのレッスンを受けたことがある。
まず、ワインの色を見て、
ディスクを見て、
ラルメ?(レッグ)を見て、、、、と。

カリフォルニアに来た頃、それを忠実に守ってやっていると不思議がられた。
グラスを眺めていると、ハエでも入っているのか、と聞かれたことがある。
ファーストフードの国らしく、アメリカ人は少し香りを嗅いですぐにワインを口の中に放り込む。私にもその癖がついてしまった。

ジャンーシャルルは、右田さん風。
久々にテイスティングの”充実感”をあじわった。
幻ピノ2006年のテイスティングになると、彼の口からバイオダイナミック用語が飛び出してきた。
「このワインはまだ閉じてる。」
「今日の月の満ち欠けはどうだ?」
「この状態のワインは満月に近い時期に味わうべきだ。」とか。

普段とは趣が違う、新鮮で楽しいいひと時となった。





にほんブログ村 酒ブログ ワインへ
[PR]
by kissouch | 2008-02-07 01:54 | wine link
アメリカでは1年に2度大きなワインシンポジウムが開かれる。
1月末にサクラメントで開かれるのがユニファイド。
半年後の6月末に開かれ、サンディエゴやシアトルなど開催都市が変わるASEV。
ASEVでは日本から参加されている方に会うこともある。

数年前までは両方に参加し”熱心?”にセミナーにも出席したものだが、セミナーの内容は少々アカデミックすぎて実践にはあまり役立つことが無い。しかし、同時に開催されるワイン関連業者の”ショウ”には興味がある。毎年新しい器具や商品が展示され多くの人でにぎわう。

この30、31日にサクラメントのユニファイドに行ってきた。
そこで見つけたのが下の写真。
さて何だろう?
恐竜の卵、ではない。

f0007498_8385983.jpg


コンクリートでできた発酵タンクだ。
展示されていたのは三分の一のスケールだが、本体は約330リットル。(発酵タンクにしては小さすぎる。)

2,3年後には、
「このワインはたまご型のタンクで発酵された特殊なワインだ。」
と売り出すワイナリーが出てくるだろう。

さて、この”たまごタンク”のアイデアがどこから来たか想像がつく人はかなりのワイン通だ。



にほんブログ村 酒ブログ ワインへ
[PR]
by kissouch | 2008-02-01 08:21 | wine link
田舎で育ったせいだろうか、
子供の頃から人込みの中に入ると、極端に疲労感が増し頭が痛くなる。
また、車の排気ガスにも弱い。
特にディーゼルの排気ガスには気分を悪くさせられることがある。
そのため、日本にいるときは週末のショッピングや朝や夜の通勤時間帯に電車に乗るのは避け、車の通行量の多いところには行かないようにしていた。

こちらソノマに来てからも、大きな街のサンタ・ローザは避け、隣の小さな町ウインザーに落ち着いた。1994年当時人口9千人ほどだったが、農地の宅地化が進み10年後には人口が4万人を超えるようになった。(人口4万人は、日本では小さい町だが)当然私の苦手な車の排気ガスも増える。そのため、今度は人口8千人ほどのセバストポールに引っ越した。この街は住宅建築に厳しいので、急激に人口が増えないだろう。

ところで、ワインテイスティングに行くには人で混み合っているワイナリーよりも、人のまばらなワイナリーに越したことは無い。人が多いとテイスティングに集中できないし、ワインを注いでくれる従業員は好みの客との対応に忙しく、ワインの情報を得られない。もっと悪くすれば、英語が不得意だとワインすらなかなか注いでもらえない。フラストレーションが募り、悪い印象だけが残る。
ナパの”銀座通り”にあるワイナリーでは、平日でも上記のようなことが多々ある。
満足にテイスティングができず、ワイナリーを背景に写真だけを撮って帰る人もいると聞いた。
それに比べ、ソノマのワイナリーは点在していることもあり、ナパほど混むことが無い。レッドソンのようなポピュラーなワイナリーを除けば、週末でも結構ゆっくりテイスティングが出来る。
また、テイスティングだけでは物足りない人は、Xtremeguide.comでソノマで行われているイベントを探せばよい。カレンダーごとに、行われるイベントの詳細が記されている。

この19,20日の週末は、アレキサンダーヴァレー、ドライクリークヴァレー、ルッシアンリヴァーヴァレーでウインターワインランドと言うワインイベントが行われ混み合った。私のように人込みが苦手でゆっくりワインテイスティングを楽しみたい方は、ワインイベントを避けるために、逆にXtremeguide.comでイベントの無い日を探せばよい。


にほんブログ村 酒ブログ ワインへ
[PR]
by kissouch | 2008-01-21 04:22 | wine link