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カリフォルニアのソノマでワイン醸造に携わって早くも15年。「日本人醸造家の悪戦苦闘!」を綴ったワイン日記


by kissouch
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Bench Trial......

数年前、帰国したとき、某ワインバーでアンフィルターの高級シャルドネを薦められた。
ワインを注いでくれたウェイター君は、
「すごい澱でしょ。さすがアンフィルターのシャルドネですね。」
と、自慢げに話した。

しかし、ワインメーカーとして常識の範囲でワインをトリートメントしておけば、
アンフィルターのワインであっても澱は出ない。


それでは、ワインメーカーとしてのその常識とは。
1)再発酵しないようにワインが完全にドライであることを確認する。
2)ML発酵が完全に終わったことを確認する。(アンフィルターの場合)
3)Heat Stabilityのチェック。
4)Cold Stabilityのチェック。

まず、上記のワインバーでのシャルドネの澱はとてもスライミーだったので、1,2,3のどれかがおろそかだったと思われる。
そして、ワイン自体にCO2があまり見られなかったので、1と2は除かれる。
ということは、3を怠ったようだ。

ワインが熱を受けるとワイン中のプロテインが現れだし、ワインが白濁する。
そして時間が経つとそれが沈下し、澱のようにビン底にたまる。
上記のシャルドネは 3)に全く気を配っていないようだ。


どうしてこのような話を持ち出したかというと、
先日リリースした幻シャルドネはどのように清澄したか、というemailが来たからだ。
こちらでは、Finingが清澄に当たる言葉だが、意味合いはちょっと異なる。
(それを述べだすとかなり長くなるので、この次に)

清澄といっていいのかどうかわからないが、
(3)のプロテインを取り除く作業はかならずしなければならない。
そのためにベントナイトをワインに入れる。
ベントナイトはワインの他の要素も取り除くので、ミニマムで入れる。
その量を決めるのをベンチトライアルという。(下の写真)


Bench Trial......_f0007498_405576.jpg


ゆえに私のシャルドネはベントナイトで清澄している。(プロテインを取り除いている。)

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by kissouch | 2008-12-04 04:01 | ワイン醸造/vinification