Stavin・ ワインの薀蓄を述べたい方必読!
2008年 08月 07日
「最近ワイン醸造の話が無いですね。」
と言うメールが来たので、ワイン醸造の話を。
以前も触れたが、ドル安ユーロ高はカリフォルニアワイン業界にとって歓迎できない話だ。
というのも、ワインの樽やコルクは全てヨーロッパ産なので、支払いはユーロで行わなければならない。
(それではアメリカンオーク樽を使えばいいのだが、高級ワインには向かない)
特に、フレンチ・ワイン樽は高価なので頭が痛い。
タランソーやフランソワ・フレアーなどの有名なクーパー(樽屋さん)の上樽は、一樽$1,400(約15万円、運送費・倉庫代を含む)だ。
5年ほど前は確か$800ほどだったと思う。
フレンチ・オーク樽への出費に頭を痛めているワイナリーに、今、攻勢をかけてる会社がある。
Stavinだ。
私のところにも、手紙や電話が頻繁に来る。
この会社は、古樽を再生、あるいはワインを樽香をつけてタンク内熟成させる方法を提供している。
4~5年も経つと、ワイン樽はニュートラルバレルと呼ばれ、ワインに樽香が付かない。
そのニュートラルバレルのヘッドと呼ばれる部分をはずして、新しいステーヴ(樽を作るためのオーク板)を樽の内側に貼る。そうすることによって、その古樽は新樽と同じ働きをすることができるという。
また、樽を分解することなく、ステーヴを樽内に入れる方法もある。
昔、ブルース・リーが映画の中で愛用していたヌンチャクのように、ステーヴをロープやステンレスの鎖で繋ぎとめる。それを、樽のバングホールから中に入れる。
私が始めてそれを見たとき、「ヌンチャクみたいだ。」というと、
ヌンチャクという言葉を知っているアメリカ人ワインメーカーがいたので驚いた。
いまでは、Wiiのためにヌンチャクは英語になっているようだが。
(ところでヌンチャクの語源は? 日本語? 中国語?)
また、オークチップやオークビーンズを古樽の中に入れる方法もある。
これらが紹介された頃、どれだけの量を入れればよいかわからず、手探りだった。しかし、その後いろいろリサーチされ、”自分の好みの味”になるように量を計算してくれる。
ところで、「どうして樽でワインを熟成させるのか、」
という単純ではあるが難しい質問を受けたことが何回かある。
正確な答えは、まだ、誰も知らない。
ただいえることは、ワインのエイジング(熟成)は「酸化」である。
ワイン樽のステーヴを微量の空気が通過し、その空気内のO2がワインや樽から抽出される物質といろいろな化学変化をゆっくりと引き起こす。
それが樽熟成だが、
樽内に侵入する空気の量とワインが接するステーヴの面積がわかれば、理論的には密閉されたステンレスタンク内で樽熟成と同じ効果を得られるようにすることができる。
映画「モンダヴィーノ」を見た方は多いだろう。(見てなければ見るべし。)
悪役の”空飛ぶワインメーカー”ミシェル・ロランが何度も、
「マイクロオキシゼネーション!」
「マイクロオキシゼネーション!」
と言っていたのを覚えてるだろうか?
その、マイクロオキシゼネーションを使えば樽に侵入する酸素と同じような効果を、タンク内のワインに与えることができる。
この器械は、通称OXBOX(オックスボックス)と呼ばれる。
(バイオダイナミックほど宗教がかっていないが、ナパにはマイクロオキシゼネーションを信奉する会がある。)
要するに、OXBOXで微量の酸素をタンクに入れ、オークチップをタンク内に放り込めば”それなり”のワインができる。
人件費もかからないので、安くて(ある程度)美味しいワインが造れる。
今後、ドル安ユーロ高が長く続くようなことがあれば、
この手法に転向していくワイナリーが増えるだろう。
not good translation、 but try →English Version
と言うメールが来たので、ワイン醸造の話を。
以前も触れたが、ドル安ユーロ高はカリフォルニアワイン業界にとって歓迎できない話だ。
というのも、ワインの樽やコルクは全てヨーロッパ産なので、支払いはユーロで行わなければならない。
(それではアメリカンオーク樽を使えばいいのだが、高級ワインには向かない)
特に、フレンチ・ワイン樽は高価なので頭が痛い。
タランソーやフランソワ・フレアーなどの有名なクーパー(樽屋さん)の上樽は、一樽$1,400(約15万円、運送費・倉庫代を含む)だ。
5年ほど前は確か$800ほどだったと思う。
フレンチ・オーク樽への出費に頭を痛めているワイナリーに、今、攻勢をかけてる会社がある。
Stavinだ。
私のところにも、手紙や電話が頻繁に来る。
この会社は、古樽を再生、あるいはワインを樽香をつけてタンク内熟成させる方法を提供している。
4~5年も経つと、ワイン樽はニュートラルバレルと呼ばれ、ワインに樽香が付かない。
そのニュートラルバレルのヘッドと呼ばれる部分をはずして、新しいステーヴ(樽を作るためのオーク板)を樽の内側に貼る。そうすることによって、その古樽は新樽と同じ働きをすることができるという。
また、樽を分解することなく、ステーヴを樽内に入れる方法もある。
昔、ブルース・リーが映画の中で愛用していたヌンチャクのように、ステーヴをロープやステンレスの鎖で繋ぎとめる。それを、樽のバングホールから中に入れる。
私が始めてそれを見たとき、「ヌンチャクみたいだ。」というと、
ヌンチャクという言葉を知っているアメリカ人ワインメーカーがいたので驚いた。
いまでは、Wiiのためにヌンチャクは英語になっているようだが。
(ところでヌンチャクの語源は? 日本語? 中国語?)
また、オークチップやオークビーンズを古樽の中に入れる方法もある。
これらが紹介された頃、どれだけの量を入れればよいかわからず、手探りだった。しかし、その後いろいろリサーチされ、”自分の好みの味”になるように量を計算してくれる。
ところで、「どうして樽でワインを熟成させるのか、」
という単純ではあるが難しい質問を受けたことが何回かある。
正確な答えは、まだ、誰も知らない。
ただいえることは、ワインのエイジング(熟成)は「酸化」である。
ワイン樽のステーヴを微量の空気が通過し、その空気内のO2がワインや樽から抽出される物質といろいろな化学変化をゆっくりと引き起こす。
それが樽熟成だが、
樽内に侵入する空気の量とワインが接するステーヴの面積がわかれば、理論的には密閉されたステンレスタンク内で樽熟成と同じ効果を得られるようにすることができる。
映画「モンダヴィーノ」を見た方は多いだろう。(見てなければ見るべし。)
悪役の”空飛ぶワインメーカー”ミシェル・ロランが何度も、
「マイクロオキシゼネーション!」
「マイクロオキシゼネーション!」
と言っていたのを覚えてるだろうか?
その、マイクロオキシゼネーションを使えば樽に侵入する酸素と同じような効果を、タンク内のワインに与えることができる。
この器械は、通称OXBOX(オックスボックス)と呼ばれる。
(バイオダイナミックほど宗教がかっていないが、ナパにはマイクロオキシゼネーションを信奉する会がある。)
要するに、OXBOXで微量の酸素をタンクに入れ、オークチップをタンク内に放り込めば”それなり”のワインができる。
人件費もかからないので、安くて(ある程度)美味しいワインが造れる。
今後、ドル安ユーロ高が長く続くようなことがあれば、
この手法に転向していくワイナリーが増えるだろう。
not good translation、 but try →English Version
by kissouch
| 2008-08-07 05:56
| ワイン醸造/vinification