カリフォルニアのソノマでワイン醸造に携わって早くも15年。「日本人醸造家の悪戦苦闘!」を綴ったワイン日記


by kissouch
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UCDavis の最新情報(4)

Does thinning really improve fruit quality?
Mike Anderson @UCD

thinning=間引き とあるが、私達がこちらワインカントリーで使う言葉thinning(シンニング)は間引きの意味も含むものの、少し違う。ゆえに、ここではシンニングと言う言葉を使う。
芽を落としたり、葉を取り除いたり、葡萄の房を落としたりすることを、すべてシンニングと言う。



葡萄を生産する側にとっては利害関係もからみ、このクラスはとても興味がある。

葡萄を生産する農家は 1トン当たり 〇〇ドル でワイナリーに葡萄を売るので、
できるだけ生産量を増やしたい。
しかし、シンニングは生産量を減らす作業であるので、農家の意思とは相反する。
また、シンニングをするにあたって、多大の人件費もかかる。
だから極力シンニングを避け、葡萄の収穫高を増やしたい。

ワイナリー側は、シンニングによって葡萄の品質を高めたい。それは、ワインの品質にもつながる、と信じている。(私も含めそれが一般常識だ。)
(幻ヴィンヤードでは、4回ほどシンニングを行い、1エーカー当たり1.5~2.5トンに抑えている。)
さて、
「シンニング(間引き)をすれば本当に葡萄の品質が上がるのか?」
がこのクラスのテーマだ。
マイクはナパのスタッグスリープ地区にあるカベルネーソーヴィニヨンの畑でリサーチを行った。畑に植えられているぶどうは、

クーロン 5
ルートストック 101-14

シンニングはブロックごとに下記の3つの段階で、ぶどうの房がそれぞれ20%、40%落とされた。
1)花が咲いた後
2)ヴァレージョン時期
3)ブリックス21°になった時
そして、何もしないコントロールとそれぞれを比較する。

マイクは8月下旬から、2~3週間おきに糖度を測り、それぞれのブロックごとに比較してみた。しかし、どのブロックの糖度も顕著な差が現れない。
リサーチの結果を元に、彼が出した結論は、
シンニングの有無、シンニングの時期にかかわらず、ハーベスト時には同じ糖度になる、と言うことだ。
しかし、1)、2)とコントロールは、トータルでは同じブリックスになるが個々の葡萄の糖度にはむらができるという。
ということは、3)でシンニングすればそれぞれの葡萄の房が均一の糖度になるということだ。

そして、マイクは葡萄の品質を見極めるために、
コントロールの葡萄とシンニングを行った葡萄の品質数値を測定した。
結果は、シンニングを行った葡萄が若干良い数値を示したが、
顕著な違いは認められなかった。

マイクは、「シンニングはあまり効果が認められない。」と控えめに述べた。

さて、このリサーチは農家にとって朗報となるだろうか?

(このリサーチがワインクオリティーまで言及されていればもっと面白かったのだが。。。。。)



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by kissouch | 2008-04-10 07:39 | wine link