カリフォルニアのソノマでワイン醸造に携わって早くも15年。「日本人醸造家の悪戦苦闘!」を綴ったワイン日記


by kissouch
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UCDavis の最新情報(2)

2)Temperature Gradients During Red Wine Fermentation
David Block @UCDavis

2ヶ月位前だっただろうか。
goooogleでアルことを調べていると、読売新聞のウェブサイトで、ボルドーワインの検定(だったと思う)、と言う題目でワインに関する問題が載っているのを見つけた。
その中に、赤ワインの発酵温度はどれくらいか? という質問があった。

私がワインを造るとき、発酵温度をMax78F(25~26℃)にセットするので4(3?)者択一の中にあった25℃を選んだ。
そして回答を見ると、25℃は間違いだった。
(このサイトによると、どうも私のワインの造り方は間違っているらしい。)

しかし、よく考えてみると発酵が始まってから終わるまでの間、温度が一定なわけがない。

私のワインを例に取り、温度変化を見てみると、

コールドソーク時のマストの温度は8℃~10℃ぐらい。
発酵が始まったなと確信する温度は12℃~15℃ぐらい。
タンクの上からマストを覗いて、CO2のために頭がクラクラするのが20℃ぐらい。
ピーク時の温度25℃が続くのはせいぜい2日くらい。
そして、20℃前後に下降する。

上記サイトだけでなく、ワイン雑誌でもよく見かける 発酵温度 という言葉。
「赤ワインの発酵温度は xx ℃」 と決めつけることはまったくナンセンスだ。

(確認のため、もう一度読売新聞のサイトの中にあった ボルドーワインの検定 を探してみたが、見つからない。他にも”怪しい問題”があったので削除したのだろうか?)


さて、デイヴィッドのクラスはこの発酵温度について。
彼はタンク全体の”温度地図”を色で示して説明した。
高温部分は赤色、そして低温部分は青色と言うように。
キャップの下、ジュースのトップの中央部分が赤く、温度が最も高い。タンク容量にもよるが、高温部と低温部では5℃以上のひらきがある。

ワインの発酵中はポンプオーバー(へモンタージュ)やパンチダウン(ピジュアジェ)を行う。
これはキャップにジュースをかける作業、あるいはキャップを沈める作業であるが、同時にタンクの温度を一定にする目的もある。
ポンプオーバーで、下部の冷たいジュースを上部からスプリンクラーディバイスで散布して、温度を一定にしようとする考えなのだが、
デイヴィッドのリサーチによると、ジュースを少々循環させただけでは、タンク内のジュースとキャップの温度が同じにならない。
(温度地図では青い部分がかなり少なくなったけれど、まだ残っている。)
それではポンプオーバーの回数を増やしたり、時間を長くすればよいわけだが、そうすると今度はタンニンなどの抽出が多すぎて、味にエグミが出てしまう。

そのあたりの駆け引きが、醸造家の腕の見せ所だろうか。



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by kissouch | 2008-03-28 05:11 | wine link