カリフォルニアのソノマでワイン醸造に携わって早くも15年。「日本人醸造家の悪戦苦闘!」を綴ったワイン日記


by kissouch
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Jean-Charles Boisset

幻ヴィンヤードで収穫されたピノノアールの半分はデローチ・ヴィンヤードが購入する。
そこでボトリングされたワインはデローチ・マボロシ・シングルヴィンヤードとして販売される。
カリフォルニアワインをヨーロッパで販売するのはかなり難しいが、このワインが最近、ヨーロッパ、特にイギリスで人気が出ているらしい。デ・ローチのオーナーがフランスのネゴシアン、ボワセ・ファミリーで、ヨーロッパでの販売網がしっかりしているからだろう。

昨日、オーナーのジャン・シャルル・ボワセが幻ヴィンヤードに訪ねて来た。
以前にも触れたが、彼は映画「モンダヴィーノ」に登場してる。
下着一枚で発酵が始まりかけたぶどうジュースの中に入り、自分の手足で”ピジェアージュ”をしていた。そのとき彼のプライベートなところがチラッと顔を出したのを覚えている方もいるだろう。
映画の話をすると、彼は毎年この作業を行うのを楽しみにしているとのこと。
できれば昔ながらの伝統的な、”素っ裸”でワインの中に入りたいと言っていた。
そういえばフランスにいた頃、ボーヌのワイン博物館で、数人の全裸の若者がお互い腕を組み合ってワインジュースの中を歩き回っている写真を見たことがある。(写真では楽しそうに見えるが、このぶどうジュースの中はかなり冷たい。赤い冷水風呂に入っているようなものだ。私も一度だけだが経験がある。)

ところで彼が訪れた理由は、畑をどうしても見たい、と言うことだった。
彼はその眺望と畑のコーディネーションが気に入ったらしく、畑の頂上から ワンダフル!ワンダフル!を連発していた。
「あと羊の姿があれば完璧だ。」と付け加えた。
というのも、彼はバイオダイナミック信奉者だからだ。フランスに所有する葡萄畑の90%はバイオダイナミックで栽培されている。

私の畑はちょうど葡萄の剪定中で、切った枝をそのまま置いている。
「この枝をどうするのか、燃やすのか?」と聞いたので
「 切り刻み土に戻す。」と答えた。

彼の場合、特定のレストランシェフと組んで、乾燥させた枝を料理に使うと言う。

「剪定した枝を食べるのか?」と聞くと、
「ノン、ノン。。肉を焼くときなどにその枝を燃料として使う。」と答えが返ってきた。

つまりそのコンセプトは、、、、
私の畑を例に取ると、
幻ヴィンヤードで剪定された枝を燃やして肉を焼く。
そうすることにより肉に幻ヴィンヤードの”テロワール”が伝わる。
そのとき幻ピノノアールを飲めばこれほど完璧なマリアージュは無い、
と言うことだ。(さすがフランス人!と感心した。)

その後自宅でテイスティングをした。

もう20年以上前のことだが、ソムリエの右田さんからテイスティングのレッスンを受けたことがある。
まず、ワインの色を見て、
ディスクを見て、
ラルメ?(レッグ)を見て、、、、と。

カリフォルニアに来た頃、それを忠実に守ってやっていると不思議がられた。
グラスを眺めていると、ハエでも入っているのか、と聞かれたことがある。
ファーストフードの国らしく、アメリカ人は少し香りを嗅いですぐにワインを口の中に放り込む。私にもその癖がついてしまった。

ジャンーシャルルは、右田さん風。
久々にテイスティングの”充実感”をあじわった。
幻ピノ2006年のテイスティングになると、彼の口からバイオダイナミック用語が飛び出してきた。
「このワインはまだ閉じてる。」
「今日の月の満ち欠けはどうだ?」
「この状態のワインは満月に近い時期に味わうべきだ。」とか。

普段とは趣が違う、新鮮で楽しいいひと時となった。





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by kissouch | 2008-02-07 01:54 | wine link