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カリフォルニアのソノマでワイン醸造に携わって早くも15年。「日本人醸造家の悪戦苦闘!」を綴ったワイン日記


by kissouch
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Chardonnay MLF

ワインにおけるアルコール発酵はイーストが担うが、その後のマロラクティック発酵はマロラクティック・バクテリアが主役だ。
何もしないで自然にマロラクティック発酵が始まるのを待つ醸造家もいるが、イーストに比べこのバクテリアは”気まぐれ”なため、なかなか発酵が始まらないことがある。
実際にルコノスットック(正式にはイノコッカス・イニ)がワイン中にいるかどうか顕微鏡で覗いても、"熟練した眼" を持っていなければ他のバクテリアと見間違うことがある。アシートバクター(極端に言えばワインを酢に変えるバクテリア)をルコノストックと見間違えれば目も当てられない。
ゆえに、たいていの醸造家は培養されたバクテリアを使う。
培養されたバクテリアも二通りの使い方がある。
ひとつは培養された少量のバクテリアを自分で増殖させる方法。
時間と手間がかかるが、確実で経済的だ。
もうひとつはフリーズドライにされたバクテリアを直接ワインに添加する方法。
お金はかかるが時間を節約できる。

私はフリーズドライのバクテリアを使っている。

幻ピノノアールのMLF(マロラクティックフェルマンテーション)はクリスマス前に終わったが、シャルドネはなかなか終わらない。寒いこともあるが、pHが低いことも原因のひとつだろう。
先日、このことを ”バクテリア屋さん” に話したら、低pHワイン用に開発されたバクテリアもあるとのこと。

来週にでも試してみようと思う。

ところで、このバクテリアを培養している会社はデンマークにある。
デンマーク??
このことが不思議で、
「デンマークでもワインを造っているの?」と聞くと、
彼の知る範囲では知らないと。
しかし、
酪農国であるデンマークでは”乳酸”に関するバクテリアの研究は世界最先端であると自慢していた。

納得!


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by kissouch | 2008-01-24 07:26 | ワイン醸造/vinification