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カリフォルニアのソノマでワイン醸造に携わって早くも15年。「日本人醸造家の悪戦苦闘!」を綴ったワイン日記


by kissouch
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Mondovino


この映画を見たのは半年ほど前だったが、最近日本で話題になっていると聞き、DVDを借りてもう一度見てみた。ワイン業界で働いている関係上、実際登場人物(悪役)と会ったり、話をしているので私にとっては興味深い映画だ。
この映画の監督、ジョナサン・ノシターの意図は明確で、ミシェル・ローランやロバート・パーカー・Jr,そしてモンダヴィ家がワインのグローバルゼイションを図る悪徳商人、テロワーリストのド・モンテイユ親子やエメ・ギバールがワインの個性を守る正義の味方、と位置付けている。ジョナサン・ノシター自体がソムリエなのでテロワーリスト側につくのは理解できるが。
ミシェル・ローランが言い放つ、
「micro=oxigenation、micro=oxigenation、・・・・・ 」
「flying winemaker」
「 I only hope they plant vines on the moon,so I can be a consultant there.」
は、誰にでも,とても嫌みに聞こえる。
一方、テロワーリスト側は、
「The key to terroir.」
「It takes a poet to make great wine.」
「The wine you make is a reflection of who you are.」
「They've lost identity, we've lost dignity.」
とカッコいい.私も一度使ってみたいセリフだ。

ミシェル・ローランに一度会ったが、とても奢れるような人には見えなかった。この映画では一方的に強調しすぎるような気がするが。彼を評価する声も沢山あるので、もう少しフェアに取り上げるべきだったと思う。実際ミシェル・ローランからノシターに強い抗議が寄せられたらしい。
そしてこの映画には脇役で多くの犬が登場する。上記のワインの言葉ではないが、ノシターはその犬から飼い主が想像できる、と言う.その見地からすれば、ロバート・パーカーの「ファーテイー・ジョージ」が最も的確かと。
あとチープショットが気になる。オーパス・ワンでのヴィンヤードマネージャーへの質問や、スタグリンでのシャリー・スタグリンの会話など。
英語、フランス語、イタリア語を自由に話す私の友人は、少しまずい訳があると言っていた。日本語訳はどうだろう。
さて、あなたの感想は?
ノシターの思う壷にはまるか? それとも・・・・・・・

 もし見ていない人が居れば必見の映画である。

PS:船酔いしやすい人は気をつけた方がよい.
Mondovino_f0007498_12521727.jpg

by kissouch | 2006-01-19 13:00 | 余談