カリフォルニアのソノマでワイン醸造に携わって早くも15年。「日本人醸造家の悪戦苦闘!」を綴ったワイン日記


by kissouch
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草 茫々

5月の始め、歯に衣着せぬというか、思ったことをずけずけ言う”先輩”が日本から私のヴィンヤードに来た。一字一句は正確ではないが、そのときの会話である。

「何んだこれ?  ちょっとひどいなー。」

「何がひどいんですか?」

「草茫々じゃん。昨日、ラファネリに行ったけど、きれいな畑だったぞー。
草なんて一本も生えてなかった。もっと手入れしないと良いワインできねーぞ。」

「先輩、何もわかってないですね。この草茫々がいいんですよ。」

「なに負け惜しみ言ってるんだい。雑草だらけで、いいわけないだろーが。」

「いや、本当なんです。ちゃ-んと考えて雑草を残しているんです。」

「じゃ、どうしてだ?」

「日本と同じで、今年のカリフォルニアも異常気象でした。特に3月から4月にかけての降雨日数は100年来の記録です。」

「それで?」

「つまり大地は大量の水を含んでるということです。」

「それと雑草がどう関係してんの?」

「年を取ると、頭の回転が鈍るようですね。」

「お互い様だろ。それで?」

「要するに雑草に水を吸い取らせてるんです。あの草を見てください。人間の背以上の高さでしょう。草が人間の背丈を越えることはそうそうありません。地中に水が沢山ある証拠なんです。ヒルサイドでこれですから、平地はすごいですよ。草を刈ってブドウの樹だけにするとツルが異常に伸び、葉がうっそうと茂ります。そして水ぶくれの葡萄ができます。」

「なるほど。それは一理あるな。」

この春、幻ヴィンヤード来られた方。草茫々の理由は上記です。消して怠けているわけではありません。
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by kissouch | 2006-06-02 06:24 | ヴィンヤード/vineyard