カリフォルニアのソノマでワイン醸造に携わって早くも15年。「日本人醸造家の悪戦苦闘!」を綴ったワイン日記


by kissouch
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オーガニック 2    

20世紀前半まで、私たちは飢餓と隣りあわせだった。
それを過去のものとしたのが農薬だ。

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農作物を生産するために、人類は長期に渡って害虫、病害と戦ってきた。
しかし、農薬の使用により、飛躍的に農産物の生産性が上がった。
収穫が、5倍にも、10倍にも増えた野菜、果実がある。
現在の飽食の時代をもたらしてくれたのは農薬だ。
農薬は感謝されるべきものであるはずが、現在、すっかり悪者になっている。

という記事を読んだ。

有吉佐和子さんの、「複合汚染」。
「日本の畑は人体実験のようなものだ」と述べていた。

動物実験で結果がよければ、その農薬は使用される。
だから、新しい農薬が、破壊的な被害を日本人に与える可能性もあったのだが、幸いにも有吉さんの予言ははずれ、農薬は人体に大きな影響を与えなかったのである。

という記事もあった。

そういえば、年配の人からこんな話を聞いたことがある。
「子供の頃、体や髪の毛に住み着いた虱や蚤(シラミやノミ)を殺すために、学校でDDTを頭から被った。それを考えれば、少々農薬が野菜についていても気にならない。」

私たちは農薬に対して神経質になりすぎなのだろうか?
農薬は私たちが思うほど害がないのだろうか?


1991年、ジュブレイ・シャンベルタンのドメーヌ・アルマン・ルソーで見習いをしていた。
ある日、オーナーのシャルル・ルソーとクロ・サンジャックに出かけた。

近くに、
芝生を敷き詰めたような、
葡萄の木が生垣のようにきれいに手入れされた、
まるでダルジャンと呼んでもいいような葡萄畑があった。

「きれいな畑ですね。」と、言いかけたのを、思わず止めた。

かの誉れ高きクロサンジャックが草ぼうぼうで、、、、

それを察したのかどうか分からないが、シャルル・ルソーは「草ぼうぼう」の理由を話し出した。
1960年~70年代に多量の農薬を使ったために土地がすっかり変わってしまった。
つまり、畑の中のマイクロオーガニズムの生態系が変わってしまい、葡萄の木が戸惑っている。
そのために、自分が目指したワインが作れないと。
もう10年以上も薬を撒かず、自然に葡萄を育てている。
それでも、まだ葡萄の木に後遺症が残っていると。


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by kissouch | 2010-04-27 02:56 | ヴィンヤード/vineyard