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カリフォルニアのソノマでワイン醸造に携わって早くも15年。「日本人醸造家の悪戦苦闘!」を綴ったワイン日記


by kissouch
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ミニ・アメリカン・ドリーム。。。。。。。

時々、日本から、
「ワイナリーで働きたいけれど、どうすればよいか?」
というメールが来る。
2ヶ月位前には、
「今年のハーベストの手伝いをしますので、給料はいくらぐらいもらえますか?」
という、ちょっと逸脱したメールが来ていた。
(これには、呆れたというよりも、思わず笑ってしまった)

私は、カリフォルニアのワナリーで働き、ワインで身を立てたいなら、遠回りだけどUCDAVISに行くように進めている。

しかし、(英語が達者なら、)下記のような例もあるので紹介しておく。
私の知り合いの J  は中西部の田舎町の出身だ。
中西部の町を放浪した後、5年前にソノマに流れ着き、まずハーベストワーカーになった。
(5年前は景気がよかったので誰でも採用された)
彼は話し上手だったのでそのワイナリーの上司に気に入られ、そのまま正規のセラーワーカーになった。
その翌年には、マーケティングアシスタントとしてナパの某有名ワイナリーに移った。そこでは、ワインの流通を学び、一応「ワイン醸造とワイン流通」の基礎を身につけた。

「話し上手は身を助ける。」とは、私の創作だが、
アメリカでは話さないとまず認められない。

翌年、ソノマに返ってきて、持ち前の会話力で某有名なワイナリーのアシスタント・ワインメーカーになった。
大学での知識もなく、2年ワイナリーで働いただけでアシスタント・ワインメーカーとはかなりの出世だ。その1年後には、持ち前の会話力を発揮してインヴェスターを募り、自分自身のブランドを立ち上げた。
ワインの味はさておき、「雇われワインメーカー」ではなく、3年で「オーナー・ワインメーカー」になってしまった。



先週、もっと凄いのに逢った。
去年、25歳の女性、K はハーベスト期間中のインターンだった。
世界中を放浪して、そろそろ落ち着こうか、とワイナリーのインターンとして働き出した。
もちろん彼女のワインの知識というのは、赤ワインと白ワインの区別ができる程度だった。
それゆえ、ハーベストの間2ヶ月ほど、私がワイン醸造の基礎知識を教えた。
去年のハーベストが終わると、出身地のセントラルコーストに帰り、連絡が途絶えていたが、
先週、彼女がソノマに遊びに来た。
今年の夏からセントラルコーストの某ワイナリーで、やはりハーベストワーカーとして働き出した。

ある日、発酵中のマストから異臭がした。
ワインメーカーが心配しているとき、
「H2SみたいなのでDAPを入れれば?」と忠告したらしい。
それ以来、ワインメーカーに気に入られ、コンサルタントワインメーカーになってしまった。
2つのワイナリーの相談に乗っているという。

(メッキが剥げなければよいが。。。。)


アメリカは何が起こるかわからない可能性を秘めている。


続くにほんブログ村 酒ブログ ワインへ
by kissouch | 2009-10-20 03:27 | 余談