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カリフォルニアのソノマでワイン醸造に携わって早くも15年。「日本人醸造家の悪戦苦闘!」を綴ったワイン日記


by kissouch
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ピノノアールのクローンについて(2)ワイン愛好家必読

さて、私がソノマに来てがっかりしたカリフォルニアのピノノアール。
本当にテロワールの差なのだろうか?
ピノノアールは気難しい、と昔から言われているが、
カリフォルニアの気候、土壌に本当に合わないのだろうか???
と、いろいろ思いを巡らせた。

私がカリフォルニアに来て2~3年経つと、それまで無名のオレゴンのピノノアールが素晴らしい、と言われだし、評価がすこぶるよかった。
その理由に、
「オレゴンの気候やテロワールは、カリフォルニアよりブルゴーニュに似ているからだ。」
と断言するワイン批評家や似たような記事のワイン雑誌もあった。

テロワールという言葉は、
ブロゴーニュのピノノアール、
オレゴンのピノノアール、
カリフォルニアのピノノアールの違いを述べるのにとても都合が良かった。

(なるほど!と思ったが、もうソノマに落ち着こうと決めていたので、いまさらオレゴンに行こうとは思わなかった。そして、、、、行かなくてよかった!)


今でこそ、誰でもクローンの話しをするが、その当時クローンのことを知っている人はごく限られていた。
だから、クローンがこれほどピノノアールのフレーバーに影響するとは誰も知らなかった。

つまり、私が述べようとしているのは。。。。。
デジョンクローンはカリフォルニアよりオレゴンに先に入ってきた。
1980年代後半だ。
それから数年たって、オレゴン産のデジョンクローンでできたワインが出回り、即、オレゴンのピノノアールの評価が上がった。

(そのころまだ誰もがオレゴンのテロワールに期待していた。しかし、オレゴンピノノアールの名声は、ディジョンクローンが大きく寄与していることを一部の人を除いて誰も知らなかった。
そして、時間がたつにつれ、やっと、クローンのことが話題になるようになった。)


注:私はクローンが”全て”と言っているのではないので誤解がないように。良いワインができるのは、気象条件、気候、地形、土壌などのテロワールと同じように、クローンも大きな要素のひとつだと思っている。


それでは、どうしてカリフォルニアよりオレゴンに先にディジョン・クローンが紹介されたのだろうか?
オレゴンのUCDavisの役割を果たしているのは、オレゴン州立大学だ。
ディジョン・クローンの責任者であるベルナール博士は、オレゴン州立大学と親交があったので、そのためオレゴンに先に紹介された。



それでは、その当時の ”遅れをとった” カリフォルニアのピノノアールはどんなだったろう???


続く

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by kissouch | 2009-07-01 04:47 | Vineyard 2009